犬相撲の秘密:歴史上の犬追物と現代のわんプロ文化

コラム

🐕‍🦺土俵に熱狂!「犬相撲」が秘める日本の伝統と現代の「わんプロ」文化

 

突然ですが、皆さんは**「犬相撲(いぬずもう)」**という言葉を聞いたことがありますか?

この言葉には二つの側面があります。一つは、日本の歴史の中で武士の鍛錬として行われていた**「犬追物(いぬおうもの)」など、犬を使った弓術や狩りの文化。そしてもう一つは、現代の私たちが愛犬同士の「わんわんプロレスごっこ(わんプロ)」**を見て、愛情を込めて呼ぶ、微笑ましい遊びの呼び名です。

今回は、この**「犬相撲」というキーワードを切り口に、日本の犬と相撲文化の奥深い関わり、そして愛犬たちが時折見せる野生の輝き**について、熱く語っていきたいと思います!


 

スポンサーリンク

1. 歴史に刻まれた「犬」と「武士の技」:犬追物とは?

 

「犬相撲」と聞いて、まず日本の歴史的な文脈で触れておきたいのが、「犬追物(いぬおうもの)」です。これは、私たちが想像する「犬同士が四つに組んで戦う」ものではなく、鎌倉時代から室町時代にかけて行われた武士の弓術の鍛錬法の一つでした。

 

🏹騎射三物としての犬追物

 

犬追物は、「流鏑馬(やぶさめ)」「笠懸(かさがけ)」と並ぶ**「騎射三物」**の一つ。馬を走らせながら、犬を標的として矢を射るという訓練でした。

  • 目的: 戦場での実戦的な弓術と、馬上での技量を磨くこと。
  • 特徴: 犬を傷つけないよう、矢が貫通しないように工夫された**特殊な鏑矢(かぶらや)**が使われました。
  • 技術: 単に当てるだけでなく、相撲の決め手のように、命中した場所や打ち方によって様々な「技」が存在し、細かく判定されていた記録が残っています。

諏訪大社や下鴨神社、上賀茂神社などでは、神事としても盛大に開催され、多くの見物客で賑わったとされています。この歴史的背景から見ると、「犬」と「相撲の技」を結びつける文化的素地が、古くから日本にあったことが分かります。武士たちが真剣に競い合う様を、犬を使った訓練に重ねていたのです。


 

2. 現代に生きる「犬相撲」:わんプロの熱い戦い

 

時が流れ、現代において「犬相撲」や「犬ずもう」という言葉が使われるのは、ほとんどが**ペットとしての犬たちの「じゃれあい」**を指します。別名「わんプロ(わんわんプロレスごっこ)」とも呼ばれ、飼い主の間では愛情を込めた呼び名として定着しています。

 

🐾真剣勝負!わんプロの魅力

 

ドッグランや公園で、仲良しの犬同士が突然組み合い、唸り声を上げたり、激しく転げ回ったりする姿。一見するとケンカのようにも見えますが、実は彼らなりのコミュニケーションであり、遊びなのです。

  • ルールなき土俵: 決まった土俵はありません。リビングのカーペットやドッグランの芝生が、彼らにとっての「土俵」となります。
  • 見えない決め手: 噛みつくようで噛みつかず、前足で相手を押さえ込み、マウントを取り合う姿は、まさに相撲やプロレスのよう。地面にひっくり返されれば一本取られた形となり、取組が終わると、何事もなかったかのように再び遊び始めるのが微笑ましい光景です。
  • 野生の解放: 普段は飼い主の前で甘えてばかりいる愛らしい姿とは打って変わり、わんプロをしている時だけは、彼らの中に眠るいにしえの野生が垣間見えます。その雄々しく、真剣な眼差しこそが、この「犬相撲」の最大の魅力です。

 

🐶犬種ごとの「相撲スタイル」

 

犬種によって、わんプロのスタイルが異なるのも面白い点です。

犬種 スタイル(決まり手)の傾向
柴犬 「組み止め」や「突き押し」。がっぷり四つに組むのが得意で、力強い押し相撲を展開。
フレンチブルドッグ 「押し出し」や「突っ張り」。低い体勢から繰り出す突進力で、あっという間に勝負を決める。
ボーダーコリー 「出し投げ」や「引っ掛け」。スピードと知性を活かした、トリッキーで素早い動きが特徴。
トイプードル 「猫だまし」や「変化」(笑)。小ささを活かし、相手の足元をすり抜ける素早い動き。

彼らにとっての「相撲」は、ストレス発散社会性を学ぶ大切な機会でもあります。


 

3. なぜ人は「犬相撲」に魅了されるのか?

 

私たちはなぜ、犬たちのじゃれあいを「相撲」と表現し、これほどまでに愛おしく感じるのでしょうか。

それは、日本の文化の根底にある「相撲」というスポーツの持つ精神性と、犬という生き物が持つ純粋な力強さが、見事に重なり合うからです。

 

🇯🇵文化的な共鳴

 

相撲は、単なるスポーツではなく、神事としての側面を持つ日本の伝統文化です。

  1. 儀式性: 激しいぶつかり合いの中に、礼儀や作法、そして「勝負」への真剣さがあります。
  2. 力と力のぶつかり合い: 逃げずに、真正面から自分の持てる全ての力で立ち向かう姿は、見る者に感動を与えます。

愛犬たちがじゃれあう姿にも、この**「真剣勝負」「純粋さ」**が感じられます。彼らは遊びであっても手を抜きません。その全身全霊でぶつかり合う姿は、相撲の力士たちが土俵で全力を尽くす姿と重なり、私たちの心を揺さぶるのです。

 

🤝犬との絆の再確認

 

飼い主にとって、愛犬のわんプロを見ることは、彼らの個性や生命力を再認識する機会でもあります。

  • 健康の証: 激しく遊べるのは、元気で健康な証拠です。
  • 絆の確認: 相手の犬と「仲良く」遊べるのは、社会性が育っている証です。

私たちは、犬相撲を通して、人間にとって最高のパートナーである犬たちの、ありのままの姿、そして**「生きる喜び」**を感じ取っているのかもしれません。


 

最後に:あなたの家の「横綱」は?

 

「犬相撲」という言葉の裏には、武士の時代から現代の日常まで、犬と日本人の深い関わりが詰まっていました。

お家の愛犬が、友達のワンコとじゃれあう時、ぜひその「相撲」の姿をじっくり観察してみてください。どの犬にも、自分だけの**「得意技(決め手)」があり、自分だけの「わんこ魂」**があるはずです。

あなたの家の愛犬の「わんプロ」の決め手は、なんですか?

次は、あなたの愛犬の「得意な決まり手」について、ぜひ教えてください!

タイトルとURLをコピーしました