死海を望む断崖絶壁にそびえる**マサダ要塞(Masada)**は、イスラエルで最も象徴的かつ感動的な歴史スポットの一つです。
ヘロデ大王によって築かれたこの要塞は、その壮絶な歴史から「ユダヤ民族の不屈の精神の象徴」とされています。
1. マサダの悲劇的な歴史
マサダが歴史の表舞台に登場するのは、紀元1世紀のユダヤ戦争の終盤です。
- 最後の砦: 紀元70年にエルサレムが陥落した後、約960人のユダヤ人(熱心党とその家族)がこの難攻不落の要塞に立てこもり、ローマ軍に抵抗しました。
- 集団自決: ローマ軍は巨大な土手を築いて要塞を包囲し、ついに壁を突破しようとしました。しかし、捕虜となり奴隷にされることを拒んだユダヤ人たちは、投降するのではなく自ら命を絶つ道を選びました。
- 現代の意義: イスラエル国防軍の入隊式では、かつて「マサダは二度と陥落させない(Masada shall not fall again)」という誓いが行われていました。
2. アクセス:頂上への道
頂上へは、主に2つのルートがあります。
- 蛇の道 (Snake Path):
- 東側(死海側)から登る、ジグザグに続く過酷な登山道です。
- 標高差約350メートル、約700段の階段があり、徒歩で約45分〜1時間ほどかかります。
- 日の出の1時間前に開門するため、早朝登山に利用されます。
- ロープウェイ:
- 最も一般的な方法で、わずか数分で頂上に到着します。ただし、早朝(日の出時間帯)は運行していないため注意が必要です(通常は午前8時頃から)。
- ローマの土手道 (Roman Ramp):
- 西側(アラド側)からアクセスするルートで、ローマ軍が攻略のために築いた土手を利用します。傾斜が緩やかで、15〜20分ほどで登れます。
3. 見逃せない「日の出」の絶景
マサダを訪れる多くの旅行者が、日の出を狙って早朝に登山を始めます。
- 暗闇の中、「蛇の道」を登りきると、死海の向こう側にあるヨルダンの山々から太陽が昇る瞬間を目にすることができます。
- 砂漠の荒涼とした大地が徐々に赤く染まっていく様子は、言葉にできないほどの神々しさです。
観光のアドバイス
- 水は必須: 夏場は40度を超えることもあります。頂上に無料の給水所はありますが、登山中も十分な水(1.5リットル程度)を持参してください。
- 靴: 岩場や階段が多いため、しっかりとしたスニーカーやハイキングシューズが推奨されます。
- ミュージアム: 麓のビジターセンターには、発掘された土器や歴史を解説する素晴らしい博物館が併設されています。
死海のプカプカ浮遊体験の後に、この歴史の重みを感じるマサダを訪れるのは、イスラエル観光の黄金ルートです。
マサダ国立公園 (Masada National Park)
- 場所: イスラエル南部、死海の西岸
- 公式サイト: parks.org.il



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