ハッシュドビーフの誕生と名前の由来
ハッシュドビーフ(Hashed Beef)の起源は、18世紀から19世紀にかけてのイギリスだと言われています。「ハッシュ(Hash)」とはフランス語の「アッシェ(hacher=細かく刻む)」が語源で、もともとは**「余った肉を細かく切って煮込み直した料理」**を指していました。
日本に伝わったのは明治時代です。当時の西洋料理店が、薄切りの牛肉と玉ねぎをデミグラスソースで煮込み、ご飯に合うようにアレンジしたことで、日本独自の「洋食」として定着しました。
「ハヤシライス」との違い
よく似た料理に「ハヤシライス」がありますが、実は明確な区別はありません。説としては以下のものが有名です。
- 名前がなまった説: 「ハッシュドビーフ・ウィズ・ライス」が短くなり、「ハイシライス」を経て「ハヤシライス」になったという説。
- 考案者の名前説: 丸善の創業者・早矢仕(はやし)有的氏が、友人をもてなすために作った肉の煮込み料理が始まりという説。
一般的には、デミグラスソースの濃厚な味わいを「ハッシュドビーフ」、トマトソースの酸味が効いたものを「ハヤシライス」と呼び分ける傾向があります。
家庭で本格的に作るレシピ
市販のルウを使わなくても、身近な調味料で深みのある味を作ることができます。
【材料】(2〜3人分)
- 牛こま切れ肉:200g
- 玉ねぎ:1個(薄切り)
- マッシュルーム:1パック(スライス)
- 赤ワイン:50ml(なければ酒でも可)
- ソースのベース:
- 水:200ml
- ケチャップ:大さじ4
- ウスターソース:大さじ3
- コンソメ(顆粒):小さじ1
- バター:20g
- 小麦粉:大さじ1
【作り方】
- 玉ねぎを炒める: フライパンにバター10gを熱し、玉ねぎがしんなりして薄く色づくまで中火で炒めます。
- 肉とマッシュルームを加える: 牛肉とマッシュルームを入れ、肉の色が変わるまで炒めます。
- 小麦粉をまぶす: 小麦粉を振り入れ、粉っぽさがなくなるまで全体を炒め合わせます。これがとろみの素になります。
- 煮込む: 赤ワインを加えてアルコールを飛ばし、ソースのベース(水、ケチャップ、ソース、コンソメ)をすべて入れます。
- 仕上げ: 時々混ぜながら弱火で10分ほど煮込み、最後に残りのバター10gを溶かしてコクを出せば完成です。
美味しく作るコツ
- 玉ねぎの甘みを引き出す: 時間があれば、玉ねぎを飴色に近いくらい炒めると、プロのような深いコクが出ます。
- 隠し味: 仕上げにインスタントコーヒーをひとつまみ、または醤油を数滴垂らすと、味に奥行きが生まれます。


