マイクロRNA(miRNA)とは?仕組みや役割、がん診断への最新活用例をわかりやすく解説

コラム

マイクロRNA(microRNA / miRNA)は、私たちの体の中で「遺伝子のスイッチを微調整する司令塔」のような役割を果たす、ごく小さなRNA分子のことです。

通常のRNA(mRNA)がタンパク質の「設計図」として働くのに対し、マイクロRNAはタンパク質を作らず、設計図が読み取られるのを邪魔するという特殊な働きを持っています。


1. マイクロRNAの主な特徴

  • サイズ: 塩基数が20〜25個程度と非常に短いです(通常の遺伝子に比べると圧倒的に小さい)。

  • 役割: 特定のmRNAに結合し、タンパク質の合成を抑制したり、mRNA自体を分解したりします。これを「遺伝子発現の制御」と呼びます。

  • 数: ヒトの体内には2,000種類以上のマイクロRNAが存在すると言われており、全遺伝子の30%以上がこれによって制御されていると考えられています。

2. なぜ注目されているのか?

マイクロRNAは、医療やバイオテクノロジーの分野で「次世代の鍵」として非常に注目されています。

① 病気のサイン(バイオマーカー)

がん、心疾患、アルツハイマー病などの病気になると、血液中のマイクロRNAの種類や量が変化します。

  • メリット: 血液や尿を調べるだけで、早期にがんを発見できる「リキッドバイオプシー(液体生検)」への応用が進んでいます。

② 新しい治療法(核酸医薬)

特定の病気の原因となっている遺伝子を抑え込むために、人工的なマイクロRNAを薬として投与する研究が行われています。

③ 生命の維持に不可欠

細胞の分化(細胞が何になるか決まるプロセス)、免疫反応、老化など、生命活動のほぼすべてに関わっています。


3. 働く仕組みのイメージ

例えるなら、細胞内が「タンパク質を作る工場」だとすると:

  1. DNA: 本棚にある「設計図の原本」

  2. mRNA: 現場に持ち出された「設計図のコピー」

  3. マイクロRNA: そのコピーにペタペタと貼られる「付箋(ふせん)」

この「付箋」が貼られると、工場(リボソーム)は設計図をうまく読み取れなくなり、製品(タンパク質)が作られなくなります。この絶妙なブレーキ機能のおかげで、私たちの体はバランスを保っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました