1. 公園のハトは「エリート」だった
「クルッポー」と鳴きながら地面を突ついているハト。どこにでもいる馴染み深い鳥ですが、実は彼らの脳内は、私たちが想像するよりもはるかにハイテクです。最新の研究では、ハトは人間が数年かけて学ぶようなスキルを、わずかな訓練で習得できることがわかっています。
2. 芸術の秋?ピカソとモネを完璧に見分ける
1995年、慶應義塾大学の研究チームが行った実験が世界を驚かせました。
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実験内容: ハトに「ピカソの絵」と「モネの絵」を見せ、正解のときだけエサをあげる訓練を実施。
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結果: ハトは、初めて見るピカソやモネの別の絵もしっかり判別しました。
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さらに驚き: ピカソの絵を「上下逆さま」にするとハトは混乱しましたが、モネの絵は逆さまにしても判別できました。これは、ハトが絵の「タッチ」や「輪郭」を論理的に理解している証拠です。
3. 医学への貢献:がん細胞を見抜く「ドクター・ハト」
芸術だけではありません。2015年の研究では、ハトが医療画像から「良性腫瘍」と「悪性腫瘍(がん)」を見分ける訓練に成功しました。
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精度: 数週間の訓練で、正解率はなんと**85%**に到達。
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AIとの共通点: 複数のハトの判断を統合する(アンサンブル学習のような手法)と、精度は**99%**にまで跳ね上がりました。
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現在、ハトの視覚情報の処理プロセスは、AI(人工知能)の画像診断アルゴリズムの開発にもヒントを与えています。
4. なぜハトはそんなに賢いのか?
ハトの脳は親指ほどのサイズしかありません。しかし、ニューロン(神経細胞)の密度が非常に高いのが特徴です。
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並列処理: 人間が一つずつ順番に考えるのに対し、ハトの脳は視覚情報を一気に並列処理する能力に長けています。
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生存本能: 空を飛びながら瞬時にエサや天敵、場所を把握するために、究極の「画像認識エンジン」を搭載しているのです。
5. まとめ:ハトを見る目が変わるはず
次に公園でハトを見かけたら、「ピカソとモネ、どっちが好き?」と心の中で問いかけてみてください。彼らは、私たちが気づかない世界のディテールを、超高性能な脳で見ているのかもしれません。



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