マルマライ計画とは?アジアと欧州を結ぶ海底トンネルと日本の技術力を解説

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「マルマライ計画(Marmaray Project)」は、トルコのイスタンブールで実行された、アジアとヨーロッパをボスポラス海峡の海底トンネルで結ぶ壮大な鉄道整備プロジェクトです。

1860年にオスマン帝国のスルタンが抱いた「海峡の下に鉄道を通す」という150年来の夢を、日本の技術と支援が形にしたものとして知られています。

1. 計画の概要

  • 区間: アジア側のゲブゼ駅からヨーロッパ側のハルカル駅まで(全長約76.6km)。
  • 中核: ボスポラス海峡を横断する13.6kmの地下区間。そのうち1.4kmが海底トンネルです。
  • 目的: 深刻な交通渋滞の緩和と、大陸間移動の効率化。
    • 従来、フェリーで約30分かかっていた海峡横断が、わずか4分に短縮されました。

2. 日本との深い関わり

このプロジェクトは、日本とトルコの協力の象徴とされています。

  • 施工: 海底トンネルという最も困難な区間を、日本の大成建設を中心とした共同企業体が担当しました。
  • 資金: 国際協力機構(JICA)を通じて、日本政府が多額の円借款(低金利の融資)を提供しました。
  • 外交: 2024年に日本とトルコが外交樹立100周年を迎えた際にも、この事業は両国の友好を象徴する実績として改めて注目されました。

3. 世界屈指の難工事

建設には、当時世界で最も高度な土木技術が投入されました。

  • 世界最深の沈埋トンネル: あらかじめ地上で作った巨大な箱(沈埋函)を海に沈めてつなぎ合わせる「沈埋工法」を採用。海面下約60mという世界最深の場所に設置されました。
  • 複雑な潮流: ボスポラス海峡は上層と下層で流れが逆になる非常に複雑な潮流があり、箱を精密に沈める作業は極めて困難を極めました。
  • 歴史的発見: 工事中に4世紀のビザンツ時代の港跡や難破船が次々と発見され、考古学的な調査のために工事が数年間中断・延長されたというエピソードもあります。

現在の状況: 2013年に海底トンネル部分が、2019年には全線が開通し、現在はイスタンブールの市民にとって欠かせない「通勤・通学の足」として定着しています。

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