福山のくわいはなぜ日本一?福山城築城から始まった歴史といわれを解説

コラム

広島県、特に福山市でくわいの生産がこれほどまでに盛んになったのには、お城の歴史と土地の個性が深く関わっています。その理由を詳しく教えますね。

1. 福山城の築城と湿地の活用

一番のきっかけは、江戸時代初期(1622年)の福山城の築城です。

初代藩主の水野勝成が福山城を建てた際、お城の北側にあった湿地帯を整備して「入り樋(いりひ)」という水路を作りました。この場所は水が溜まりやすく、普通の作物を作るのには不向きでしたが、水を好むくわいの栽培にはぴったりだったのです。

そこで、湿地を有効活用するために栽培が奨励されたのが始まりといわれています。

2. 「勝ち栗」にちなんだ縁起物

福山藩では、くわいを単なる野菜としてだけでなく、武士の士気を高める象徴としても大切にしました。

くわいは大きな芽が出ることから**「めでたい」とされますが、福山藩では戦に勝つ「勝ち栗」にちなんで、くわいを「河内栗(かわちぐり)」**と呼んで推奨しました。このネーミングセンスもあって、地域に広く普及していったのです。

3. 粘土質の土壌が育てた品質

福山市の沿岸部は、かつて干拓によって広げられた土地が多く、重い粘土質の土壌が広がっていました。

  • 色白で高品質: この粘土質の土が、くわいの表面を保護し、色が白くてツヤのある美しいくわいを育てました。
  • 適した気候: 瀬戸内海の温暖な気候も、冬の収穫に向けてじっくりと育てるのに適していました。

4. 圧倒的なシェア

現在、福山市のくわいは全国生産量の約8割を占めています。 明治時代以降、鉄道の開通によって「福山のくわいは質が良い」という評判が東京や大阪まで広まり、お正月料理に欠かせない高級食材としての地位を確立しました。


ちょっとした豆知識

福山で栽培されているのは、主に「青くわい」という品種です。 実はくわいには「青くわい」「白くわい」「吹田くわい」の3種類がありますが、青みがかった美しい光沢と、独特のほろ苦さがある「青くわい」は、福山の風土だからこそ最高級の品質になると言われているんですよ。

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