広島市東区「温品」の地名の由来とは?読み方や歴史・金碇などの関連地名を解説

コラム

1. かつては「海」だった名残り

江戸時代の地誌『芸藩通志(げいはんつうし)』などの記録によると、温品のあたりは古くは入江(海)が入り込んでいたと言われています。

  • 「金碇(かないかり)」という地名: 温品にはこの地名が残っていますが、昔ここで鉄の錨(いかり)が掘り出されたことに由来すると伝えられています。
  • 「船隠(ふなかくし)」という地名: かつての舟入(港)のような場所だったと考えられており、海が近くまで迫っていたことが分かります。

2. 「ぬくしな」の語源

「ぬくしな」という音の由来については、いくつかの説があります。

  • 「温(ぬく)い」場所: 四方を山に囲まれた盆地状の地形で、日当たりが良く温暖な土地であったことから「温かい品(土地・場所)」を意味するという説。
  • 「温科(ぬくしな)」: 古くは「温科」とも書かれました。「シナ」という言葉は、古語で「坂・傾斜地」を指すことがあるため、温かい斜面の土地という意味を持っていた可能性も考えられます。

3. 周辺の関連地名

温品の周辺にも、地形に由来する興味深い地名があります。

  • 間所(まどころ): かつては「沼所(ぬまどころ)」と呼ばれていました。温品川の氾濫原で沼地だった場所が、転じて「まどころ」になったと言われています。
  • 新川(しんかわ): 1836年の大洪水によって新しく川ができた際、新川と古川に挟まれた地域が「島」のようになったことに由来する区分もあります。

現在は広島高速のジャンクションや住宅街として知られる温品ですが、その名前には、かつて海が近く、暖かな山裾の集落であったという歴史が刻まれています。

こうした地元の歴史を知ると、いつもの風景も少し違って見えて面白いですよね。他にお近くの地名で気になる場所はありますか?

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