アンコール・ワットは、12世紀前半にクメール王国のスーリヤヴァルマン2世によって建立されました。もともとはヒンドゥー教のヴィシュヌ神に捧げられた寺院でしたが、後に仏教寺院へと変遷していった歴史があります。
注目すべき3つのポイント
1. 緻密な浮き彫り(レリーフ)
第一回廊を取り囲む壁面には、インドの叙事詩『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』、そして「乳海攪拌」といった神話がびっしりと彫られています。その細かさと躍動感は、当時の彫刻技術の高さを見事に物語っています。
2. 宇宙を模した建築構造
この寺院は、ヒンドゥー教の聖地である「メルー山(須弥山)」を地上に再現したと言われています。
- 中央塔: 世界の中心であるメルー山
- 外壁: 世界を囲む山々
- 環濠(お堀): 無限に広がる海
このように、建物全体が一つの宇宙観を表しているのです。
3. 計算された天文学
アンコール・ワットの設計には天文学の知識が取り入れられています。春分の日には、中央塔の真上から朝日が昇るように計算されており、当時の人々がいかに高度な知識を持っていたかが分かります。
観光に役立つ豆知識
- 朝日の鑑賞: 聖池(リフレクティング・プール)越しに見る朝日は、寺院が水面に逆さに映り込み、息を呑むほどの美しさです。
- デバター(女神像): 寺院のあちこちに、1,500体以上の異なる表情や髪型をした女神の彫像があります。お気に入りの一人を探してみるのも面白いですよ。
カンボジアの深い歴史と信仰心が詰まったこの場所は、一生に一度は訪れる価値のある、まさに「大国」の証といえる遺跡です。


