宇宙の大規模構造において、銀河がほとんど存在しない「暗黒の部分」はボイド(空洞)と呼ばれます。
その「暗さ」がどの程度なのか、宇宙のスケールで分かりやすくガイドしますね。
1. 想像を絶する「虚無」の空間
宇宙全体の体積の約90%を占めるボイドは、単に「光が届かない」のではなく、「光を発するもの(銀河や星)がほぼ存在しない」場所です。
- 物質の密度: 周囲の銀河が集まっている場所(フィラメント)に比べ、物質の密度が10分の1から100分の1以下しかありません。
- 光の少なさ: もし私たちがボイドのど真ん中に放り出されたら、肉眼で見える星は一つもありません。360度、完全な漆黒の世界が広がっています。

2. 「どのくらい暗いのか」の指標
「暗さ」を物理的な視点で見ると、主に2つのポイントがあります。
① 可視光における暗さ
地球の夜空は、天の川銀河の星々や他の銀河の光で溢れています。しかしボイドの中心では、数千万光年先まで銀河が存在しないため、「観測可能な宇宙で最も暗い場所」と言えます。 現代の最強の望遠鏡(ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡など)でさえ、ボイドの方向を向いても、背後にある遠くの銀河がかすかに見えるだけで、手前には何も映りません。
② 宇宙背景放射(微かな光)
本当の意味での「ゼロ」の暗闇かというと、実はそうではありません。 宇宙誕生時の名残である「宇宙マイクロ波背景放射(CMB)」という微弱な電磁波が、ボイドの中にも充満しています。
- 人間の目には見えませんが、電波望遠鏡で覗けば、宇宙全体が絶対温度約3K(-270°C)の微かな熱の光で満たされていることが分かります。
3. 「暗黒物質(ダークマター)」との関係
さらに興味深いのは、この「暗黒の部分」にもダークマター(暗黒物質)は存在しているという点です。
- 光を反射も放出もしないため、どれほど高性能な望遠鏡でも見ることはできませんが、重力の影響を通してその存在が確認されています。つまり、「見えない何かで満たされているけれど、光がないから真っ暗」というのがボイドの正体です。

