1970年代は、日本の軽自動車にとって多様性と進化の時代でした。排ガス規制への対応や、パーソナルユースへのシフトが見られ、個性的なモデルが登場しました。
1970年代の軽自動車の特徴
- 排気量とボディサイズの拡大: 1976年に軽自動車の規格が改正され、排気量が360ccから550ccへ、ボディサイズも一回り大きくなりました。これにより、居住性や走行性能が向上しました。
- 多様なボディタイプ: 実用的なセダンやバンに加え、クーペやハードトップなど、個性的なスタイルのモデルが登場しました。
- 高性能化: 各メーカーが技術力を競い合い、高性能なエンジンを搭載したモデルや、FF(前輪駆動)方式を採用したモデルも現れました。
- パーソナルユースの拡大: それまで実用的な移動手段としての役割が大きかった軽自動車ですが、1970年代には若者を中心に、デザイン性や走行性能を重視するパーソナルユースの需要が拡大しました。
1970年代の主な軽自動車メーカーと代表的な車種
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- スズキ:
- フロンテクーペ (1971年): イタリアのデザイナー、ジウジアーロがデザインに関わったとされるスタイリッシュなクーペ。
- ジムニー (LJ10型, 1970年): 軽自動車初の本格的な四輪駆動オフロード車。
- セルボ (初代, 1977年): スポーティなデザインが特徴のパーソナルクーペ。
- スズキ:
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- ダイハツ:
- フェローMAX (1970年): 実用性を重視したFF方式を採用。軽自動車初のハードトップモデルも設定。
- シャレード (G10型, 1977年): FF方式を採用した、当時としては珍しい背の高い2BOXスタイル。
- ダイハツ:
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- ホンダ:
- N360 (1967年 – 1970年): 高性能な空冷直列2気筒エンジンを搭載し、軽自動車の高性能化を牽引。
- Z (1970年 – 1974年): 「水中メガネ」と呼ばれた特徴的なリアウィンドウを持つスペシャリティカー。
- ライフ (1971年 – 1974年): N360の後継モデルで、4ドアセダンも設定。
- ホンダ:
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- 三菱自動車:
- ミニカ (3代目 A100系, 1970年): ハッチバックボディを採用し、後の軽自動車の主流となるスタイルを確立。
- ミニカ スキッパー (1971年): ミニカをベースとしたスタイリッシュな2ドアクーペ。
- 三菱自動車:
まとめ
70年代の軽自動車は、規格改正を機に、より多様で個性的なモデルが登場し、実用性だけでなく、デザインや走行性能といった新たな価値観が加わった時代と言えます。これらのモデルは、現代の軽自動車の礎を築いたと言えるでしょう。