アンゴラウサギは、その長く柔らかい毛が特徴的なウサギの品種です。原産はトルコ(旧アンカラ地方)で、古くからその美しい毛は珍重されてきました。
アンゴラウサギの主な特徴
- 被毛: 最も大きな特徴は、全身を覆う長く、絹のように柔らかい被毛です。この毛は「アンゴラウール」として知られ、衣料品などに利用されます。毛の長さは品種によって異なりますが、一般的に10cm以上にもなります。
- 体格: ネザーランドドワーフなどの小型種と比べると中型で、体重は2kg〜5kg程度になります。
- 性格: 一般的に穏やかで大人しい性格の個体が多いとされています。抱っこや触れ合いを好む子もいますが、個体差があります。
- 外見: 丸い顔と短い耳を持つ品種が多いですが、品種によって顔つきや耳の形、毛の長さなどが異なります。
アンゴラウサギの種類
アンゴラウサギには、主に以下の5つの品種がARBA(アメリカンラビットブリーダーズ協会)によって公認されています。
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イングリッシュアンゴラ:
- アンゴラウサギの中で最も小型で、体重は2.5〜3.5kg程度。
- 顔全体にも飾り毛が生えているのが特徴で、まるでテディベアのような愛らしい外見をしています。
- 非常に繊細な毛質で、毛玉になりやすいため、こまめな手入れが必須です。
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フレンチアンゴラ:
- 体重は3.5〜4.5kg程度。
- 顔周りの毛は比較的短く、体全体を長い被毛が覆っています。
- 他のアンゴラ種に比べて毛玉になりにくいとされています。
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サテンアンゴラ:
- 体重は3〜4kg程度。
- 光沢のある美しい被毛が特徴です。
- フレンチアンゴラと同様に、顔周りの毛は短めです。
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ジャイアントアンゴラ:
- アンゴラウサギの中で最も大きく、体重は4.5kg以上になります。
- ドイツアンゴラを基に改良された品種で、白い被毛と赤い目が特徴です。
- 年間を通して多くのアンゴラウールを産出します。
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ジャーマンアンゴラ:
- ARBAには公認されていませんが、世界的に広く飼育されています。
- 体重は2.5〜5.5kgと幅広く、非常に密で長い被毛を持ちます。
- 比較的丈夫で飼育しやすいと言われています。
アンゴラウサギの飼育
アンゴラウサギを飼育する上では、以下の点に注意が必要です。
- 温度管理: 暑さに弱いため、夏場の温度管理は特に重要です。
- 湿度管理: 高温多湿も苦手なため、適切な湿度を保つようにしましょう。
- ケージ: ゆったりとしたサイズのケージを用意し、通気性の良い環境を整えましょう。
- 食事: 主食は牧草とし、ペレットや新鮮な野菜、果物をバランス良く与えましょう。
- グルーミング: 最も重要なケアです。毎日ブラッシングを行い、定期的なカットも必要になります。毛玉症予防のためにも、こまめなケアが欠かせません。
- 運動: 適度な運動ができる環境も用意しましょう。
- 健康管理: 定期的な健康チェックを行い、異変があればすぐに獣医に相談しましょう。特に毛球症や皮膚炎に注意が必要です。
アンゴラウサギは、美しい被毛を持つ魅力的な動物ですが、その維持には手間と愛情が必要です。飼育を検討する際は、これらの点を十分に理解し、責任を持って世話ができるかどうかしっかりと考えましょう。