はじめに
ビジネスシーンにおいて、敬語は単なる言葉遣い以上の意味を持ちます。相手への敬意を示し、円滑な人間関係を築き、最終的にはビジネスの成功にも繋がる重要なツールです。しかし、「正しく使えているか不安」「どんな時に使えばいいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ビジネスで特に頻繁に使うべき敬語10選を厳選し、具体的な例文を交えながらわかりやすく解説します。これらの敬語をマスターして、あなたのビジネスコミュニケーションを次のレベルへと引き上げましょう!
ビジネスシーンでよく使う敬語10選
1. いただく
「もらう」の謙譲語です。何かを受け取る際に使います。
- 誤用例: 資料を読んでください。
- 正しい例: 資料をお読みいただけますでしょうか。
- 例文: 「貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございます。」
2. 申し上げる
「言う」の謙譲語です。自分の発言をへりくだって伝える際に使います。
- 誤用例: ご連絡します。
- 正しい例: ご連絡申し上げます。
- 例文: 「先ほどの件について、改めて申し上げますと…」
3. 拝見する
「見る」の謙譲語です。相手のものを見る際に使います。
- 誤用例: 企画書を見ました。
- 正しい例: 企画書を拝見しました。
- 例文: 「御社のウェブサイトを拝見しました。とても素晴らしいですね。」
4. 承知いたしました/かしこまりました
「わかった」の丁寧語(承知いたしました)、または**「わかった」の謙譲語(かしこまりました)**です。依頼や指示を理解したことを伝える際に使います。
- 誤用例: わかりました。
- 正しい例: 承知いたしました。/かしこまりました。
- 例文: 「資料の準備、かしこまりました。すぐに取り掛かります。」
5. 恐れ入ります
相手に何かを依頼する際や、感謝の気持ちを伝える際に使うクッション言葉です。
- 誤用例: ちょっとお願いします。
- 正しい例: 恐れ入りますが、少々お待ちいただけますでしょうか。
- 例文: 「お忙しいところ恐れ入りますが、ご確認いただけますでしょうか。」
6. 申し上げにくいのですが
「言いにくい」の謙譲語です。相手に伝えにくいことを切り出す際に使います。
- 誤用例: 言いにくいんですが…
- 正しい例: 申し上げにくいのですが…
- 例文: 「大変申し上げにくいのですが、納期を調整していただくことは可能でしょうか。」
7. お目にかかる
「会う」の謙譲語です。目上の人に会う際に使います。
- 誤用例: 社長に会いました。
- 正しい例: 社長にお目にかかりました。
- 例文: 「来週の会議で、皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております。」
8. おっしゃる
「言う」の尊敬語です。相手の発言を敬意を込めて表現する際に使います。
- 誤用例: 部長が言いました。
- 正しい例: 部長がおっしゃいました。
- 例文: 「部長がおっしゃった通り、この企画は成功すると思います。」
9. いらっしゃる
「いる」「行く」「来る」の尊敬語です。相手や目上の人の状態や行動を敬意を込めて表現する際に使います。
- 誤用例: 課長はどこにいますか?
- 正しい例: 課長はどちらにいらっしゃいますか?
- 例文: 「お客様はもういらっしゃいますか?」
10. 〜でございます
「〜です」の丁寧語です。より丁寧な印象を与えたい時に使います。
- 誤用例: こちらは資料です。
- 正しい例: こちらは資料でございます。
- 例文: 「本日担当させていただきます、田中でございます。」