国産オリーブの主な産地は、香川県と岡山県の瀬戸内海沿岸地域です。特に、香川県小豆島は「日本のオリーブ発祥の地」として知られ、国内生産量の大部分を占める圧倒的なシェアを誇っています。
国産オリーブの主な産地
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香川県(特に小豆島)
- 歴史と現状: 日本でのオリーブ栽培は明治時代に本格化し、1908年(明治41年)に香川県小豆島で初めて結実に成功しました。温暖で雨が少ない瀬戸内式気候が、地中海沿岸と似ており、オリーブ栽培に適しています。
- 生産量: 現在、香川県は全国のオリーブ収穫量の約9割以上を占めており、日本のオリーブ産業を牽引しています。小豆島だけでなく、高松市、坂出市、さぬき市、三豊市、宇多津町、多度津町などでも栽培が広がっています。
- 特徴: 手摘みでの丁寧な収穫や、高品質なオリーブオイルの生産で知られています。香川県の県花・県木にも指定されています。
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岡山県
- 牛窓(瀬戸内市): 岡山県では「日本のエーゲ海」とも呼ばれる瀬戸内市牛窓町が主な産地として知られています。牛窓オリーブ園は、小豆島オリーブ園と並び日本最大規模のオリーブ園として有名です。
- 倉敷市(玉島): 倉敷市玉島地区でも、古くからオリーブ栽培に取り組んでいる農園があります。海が近く、害虫が少ないという利点があり、自然に近い栽培が行われています。
その他注目される地域
近年では、九州エリアなど温暖な気候の地域でもオリーブ栽培が試みられており、小規模ながらも国産オリーブの生産が広がりつつあります。土壌改良や品種改良など、様々な課題を乗り越えながら、各地域で栽培が模索されています。
国産オリーブの品種
香川県を中心に栽培されている主な品種としては、以下のものが挙げられます。
- ミッション:果実加工、オイル兼用品種で、最も多く栽培されています。
- マンザニロ:果実加工、オイル兼用品種で、実付きが良く、丸い実が特徴です。
- ネバディロ・ブランコ:オイル用品種で、他の品種の受粉樹としても利用されます。
- ルッカ:オイル用品種で、病気や寒さに強く、育てやすい品種とされています。 香川県では、これらの既存品種に加え、日本初の品種登録となる「香オリ3号」「香オリ5号」といった新品種も開発されています。
国産オリーブは、海外産に比べて生産量は少ないものの、丁寧に手摘みで収穫され、高品質なものが多く、近年注目が高まっています。