日本のショートケーキの歴史とは?不二家・コロンバンから国民的スイーツへ

コラム

白いスポンジにたっぷりの生クリーム、そして真っ赤なイチゴが飾られた日本の「ショートケーキ」は、実は日本で独自に発展したお菓子です。海外にも「ショートケーキ」というお菓子はありますが、ビスケットのようなサクサクした生地にクリームやフルーツを挟んだものが一般的で、日本のものとは異なります。

日本のショートケーキの歴史には、いくつかの主要な説と出来事があります。

1. 日本発祥説と主な考案者

  • 不二家の創業者・藤井林右衛門氏: 不二家が1922年(大正11年)にショートケーキを発売したことが、日本におけるショートケーキの先駆けと言われています。彼は日本人の口に合うようにアレンジし、現在のショートケーキの原型を作り上げたと考えられています。
  • コロンバンの創業者・門倉國輝氏: フランスで本格的な菓子作りを学んだ門倉國輝氏が、1924年(大正13年)にコロンバンを創業し、やはり日本人が好む洋菓子としてショートケーキを考案したという説もあります。

2. 「ショート」の語源

「ショートケーキ」の「ショート」にはいくつかの説があります。

  • アメリカのショートケーキがヒント: アメリカの「ショートケーキ」と呼ばれるお菓子を参考に作られたという説。
  • 「short」の意味: 英語の「short」には「もろい」「サクサクした」という意味があり、もともとサクサクした生地(ショートブレッドなど)を使ったお菓子に由来するという説。
  • 「ショートタイム(短時間)」: 短時間で作れることから名付けられたという説、あるいは生クリームやイチゴを使用するため日持ちしないことから、という意味合いで「短い時間」というニュアンスが込められているという説。

3. 普及の背景

  • 冷蔵設備の普及: 1950年代前後から家庭向け冷蔵庫が普及し始め、バタークリームが主流だった時代から、生クリームを使ったケーキが売れ筋となっていきました。生クリームは冷蔵が必要なため、冷蔵庫の普及がショートケーキの普及に大きく貢献しました。
  • イチゴのハウス栽培の普及: 冬場は果物が手に入りにくかった時代もありましたが、イチゴのハウス栽培が普及したことで、年間を通してショートケーキに欠かせないイチゴが手に入るようになり、人気を後押ししました。

まとめ

日本のショートケーキは、明治から大正にかけて洋菓子が日本に入ってきた中で、日本人の味覚や食文化に合わせて独自に進化を遂げたものです。特に、不二家やコロンバンといった洋菓子店の先駆者たちが、現在のショートケーキの形を確立し、冷蔵技術やイチゴの栽培技術の発展とともに、国民的な人気のお菓子として定着していきました。

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