森林セラピーは、医学的な証拠に裏付けられた「森林浴効果」を活用し、心身の健康維持・増進、疾病の予防を目的とする活動です。単なる散策とは異なり、科学的なアプローチでその効果が検証されています。
森林セラピーの効果
森林セラピーの効果は、様々な生理・心理実験によって科学的に証明されています。
- ストレスの軽減: ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が低下し、ストレス時に高まる交感神経活動が抑制されます。
- リラックス効果: リラックス時に高まる副交感神経活動が昂進します。これにより、血圧や脈拍数が低下し、緊張が緩和されます。
- 免疫機能の向上: NK(ナチュラルキラー)細胞の活性が高まり、免疫機能が強化されることがわかっています。
- 脳活動の鎮静化: 脳の前頭前野の活動が鎮静化し、リラックス状態になります。
これらの効果は、森林に存在する様々な要素が五感に働きかけることによってもたらされます。
- 視覚: 森林の緑色や木漏れ日、美しい景色が心身のリラックス効果を高めます。
- 聴覚: 風に揺れる葉の音、小鳥のさえずり、水のせせらぎなどの自然音は、血圧を下げ、脳の活動を鎮静化させます。
- 嗅覚: 樹木から発散される香気成分「フィトンチッド」を深く呼吸することで、リラックス効果や免疫機能向上効果が得られます。
- 触覚: 木の幹や葉、土に触れることで、心地よい刺激が脳に伝わります。