オペルの歴史:ミシンから自動車へ、激動の160年を写真で振り返る

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オペルは、ドイツで160年以上の歴史を持つ自動車メーカーです。ミシン製造から始まり、自転車、そして自動車へと事業を広げたその歩みは、激動の時代を乗り越えてきた物語そのものです。ここでは、オペルの歴史を写真とともに振り返ります。

ミシンから自動車へ:創業期(1862年~1920年代)

 

オペルの歴史は、1862年に創業者のアダム・オペルがミシン製造会社を設立したことから始まりました。この事業は大成功を収め、ドイツ最大のミシンメーカーに成長。その高い技術力を活かして、自転車製造にも進出しました。

しかし、創業者のアダムは自動車製造を始めることなく1895年に亡くなります。彼の死後、5人の息子たちが父の遺志を継ぎ、1899年にドイツの自動車メーカー「ルッツマン」の特許と設備を買収し、自動車製造に乗り出しました。

ルッツマンから技術を習得し、独自開発した初期のモデル

大量生産の時代とGM傘下へ(1920年代~2017年)

 

第一次世界大戦後、アメリカから低価格の自動車が流入し、ドイツの自動車産業は厳しい時代を迎えます。多くのメーカーが廃業に追い込まれる中、オペルはアメリカの自動車大手**ゼネラルモーターズ(GM)**と提携。1931年にはGMの完全子会社となりました。これにより、オペルはGMの技術と資本力を背景に、大量生産体制を確立し、ドイツ最大の自動車メーカーへと成長しました。

この時代には、小型車「カデット」や、オペルを代表するモデル「レコルト」など、多くの人気車種が誕生しました。

フォルクスワーゲン タイプ1と並び、ドイツの大衆車として人気を博したカデット


 

PSAグループへの売却と新生オペル(2017年~)

約90年間にわたるGM傘下での歴史は、2017年に大きな転換期を迎えます。GMが欧州事業からの撤退を決定し、オペルはフランスのPSAグループ(プジョー、シトロエンなどを擁する)に買収されました。

この買収は、オペルの経営再建と同時に、電動化戦略を加速させるきっかけとなりました。現在、オペルはPSAグループと旧FCAグループが統合して誕生したステランティスの傘下となり、新しいスタートを切っています。


 

日本での歴史と復活

 

オペルは過去に何度か日本市場に参入と撤退を繰り返しています。1990年代にはヤナセがオペル車の販売を開始し、コンパクトカーのヴィータ(欧州名:コルサ)などが人気を集めました。しかし、2006年に日本市場から撤退。その後、2022年に再び日本への再上陸を果たし、現在は電気自動車やSUVを中心にラインアップを展開しています。

丸みを帯びたデザインで一世を風靡したコンパクトカー

オペルは、ミシンメーカーとして培った堅実な技術力を基盤に、時代に合わせて変化しながら、常に人々の生活に寄り添う車を生み出してきました。その歴史は、今後の自動車業界の動向を占う上でも興味深いものと言えるでしょう。

オペルの歴史に興味が湧いた方は、どの時代のモデルが気になりますか?

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