知られざる歴史と絶景の島「似島」|広島湾に浮かぶ神秘の島を巡る
広島市の南、穏やかな広島湾に浮かぶ小さな島、似島(にのしま)。 「似の島」とも書かれるこの島は、その名の通り、まるで絵画のように美しい景色が広がる場所です。しかし、ただ美しいだけでなく、この島には、知られざる深い歴史と物語が息づいています。
今回は、そんな似島の魅力を、歴史から絶景、グルメ、そして知っておきたい情報まで、1500文字でたっぷりご紹介します。広島を訪れたことがある方も、まだ似島に足を運んだことがない方も、この記事を読めばきっと、この神秘的な島への旅に出かけたくなるはずです。
似島ってどんなところ?
広島港からフェリーで約20分。都会の喧騒から離れたその島は、別世界へと私たちを誘います。島のシンボルは、標高278メートルの安芸小富士(あきのこふじ)。その美しい円錐形の姿は、富士山に似ていることから名付けられました。島の人々に親しまれ、その姿は広島市街からも望むことができます。
島内には、豊かな自然が広がり、のんびりとした時間が流れています。車での移動も可能ですが、自転車や徒歩で島を巡るのがおすすめです。潮風を感じながら、ゆったりとしたペースで散策すれば、島の本当の魅力を感じられるでしょう。
似島の深い歴史を訪ねて
穏やかな島の風景からは想像もつきませんが、似島は日本の近代史において、重要な役割を果たしてきました。
日清戦争と検疫所
明治時代、日清戦争の際には、似島に陸軍検疫所が設置されました。これは、海外から帰国する兵士や物資の検疫を行うための施設で、多くの人々がこの島で厳しい隔離生活を送りました。現在も、島のあちこちに当時の痕跡が残されており、歴史の重みを今に伝えています。
原爆被災者の受け入れ
そして、似島の歴史で最も重要かつ、悲しい出来事があります。1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下された際、似島は被爆者の臨時救護所となりました。多くの被爆者が、フェリーや船でこの島に運ばれ、懸命な救護活動が行われました。島の住民も、献身的に被災者を助け、食料や水を提供したと伝えられています。島の中心部には、当時の様子を伝える資料館や慰霊碑があり、平和の大切さを静かに語りかけています。
似島でしか味わえない!絶景とグルメ
歴史の重みを感じた後は、似島が誇る美しい景色と美味しいグルメを堪能しましょう。
安芸小富士からの大パノラマ
似島を訪れたなら、安芸小富士への登山は外せません。登山道は整備されており、片道1時間ほどで登頂できます。山頂からは、360度の大パノラマが広がります。目の前には、穏やかな瀬戸内海に点在する島々、そして遠くには広島市街地を一望できます。特に、夕暮れ時には、海と空がオレンジ色に染まる幻想的な光景が楽しめ、その美しさに言葉を失います。
島の恵み、美味しいグルメ
似島は、温暖な気候を活かした農業が盛んです。特に有名なのが、似島産のニンジンです。ミネラル分が豊富な土壌で育ったニンジンは、甘みが強く、風味が豊かだと評判です。島内のカフェやレストランでは、このニンジンを使った特製料理やスイーツを味わうことができます。また、新鮮な海の幸も魅力的です。牡蠣の養殖も盛んで、冬にはぷりぷりの牡蠣を堪能できます。
似島へのアクセスと楽しみ方
似島へは、広島港宇品旅客ターミナルからフェリーに乗って向かいます。フェリーは1時間に1本程度運航しており、気軽に日帰り旅が楽しめます。
島内での移動手段は、徒歩や自転車がおすすめです。フェリーターミナル付近でレンタサイクルを借りることもできます。
最後に
似島は、単なる観光地ではありません。 美しい自然に癒され、美味しいグルメに舌鼓を打ち、そして何よりも、島の歴史に触れることで、平和の尊さを改めて感じさせてくれる場所です。
穏やかな海と緑に囲まれたこの島は、訪れる人々に静かな感動と、忘れられない思い出を与えてくれます。