【お茶の種類】発酵度でわかる6大分類と日本茶・紅茶の代表銘柄を解説

嗜好品

お茶は非常に種類が多く、その分類は主に**製造工程における茶葉の「発酵(酸化)度合い」**によって行われます。

ここでは、その分類をベースに、代表的なお茶の種類とその特徴をご紹介します。


1. 発酵度によるお茶の分類(六大分類)

 

お茶は、摘み取った茶葉に含まれる酸化酵素の働きをどの段階で止めるか(または活用するか)によって、大きく6種類に分けられます。

分類 発酵度合い 製造方法のポイント 代表的なお茶
緑茶(りょくちゃ) 不発酵茶 (0%) 摘んですぐに加熱(蒸す/炒る)して酵素の働きを止め、発酵させない。 煎茶、玉露、抹茶、番茶 (日本茶のほとんど)
白茶(はくちゃ) 弱発酵茶 (ごくわずか) 非常に軽く自然乾燥させるなど、ほとんど手を加えない。 白毫銀針(はくごうぎんしん)、白牡丹
黄茶(こうちゃ) 弱後発酵茶 製造過程で茶葉を布などで包み、蒸すことで軽く発酵させる(悶黄)。 君山銀針(くんざんぎんしん)
烏龍茶(うーろんちゃ) 半発酵茶 (10~80%) 途中で発酵を止める。発酵の度合いで、緑茶に近いものから紅茶に近いものまで幅広い。 鉄観音、凍頂烏龍茶、東方美人
紅茶(こうちゃ) 発酵茶 (完全発酵) 茶葉を完全に発酵(酸化)させて製造する。芳醇な香りと濃い水色(すいしょく)が特徴。 ダージリン、アッサム、ウバ(世界三大紅茶)
黒茶(くろちゃ) 後発酵茶 製造後、カビや乳酸菌などの微生物の働きによって発酵(熟成)させる。 プーアル茶(中国)、阿波晩茶(日本の一部)

 

2. 日本茶(緑茶)の主な種類と特徴

 

日本の多くのお茶は「不発酵茶」である緑茶に分類され、製造工程や栽培方法によってさらに細かく分けられます。

種類 製造・栽培の特徴 味わいの特徴
煎茶(せんちゃ) 日光を浴びて育った茶葉を蒸して揉む。最も一般的な日本茶。 渋みと旨み(甘み)のバランスが良い、爽やかな香り。
玉露(ぎょくろ) 摘採前の約20日間、日光を遮って栽培(被覆栽培)する。 旨み成分(テアニン)が多く、独特の「覆い香」という海苔のような香りが特徴。高級茶。
かぶせ茶 摘採前の約7日間、日光を遮って栽培する(玉露と煎茶の中間)。 玉露ほどの覆い香はないが、旨みが強く、渋みが少ない。
抹茶(まっちゃ) 玉露と同様に被覆栽培した茶葉(碾茶)を、揉まずに乾燥させ、石臼で挽いて粉末にしたもの。 渋みの中に濃厚な旨みと上品な甘みが特徴。
ほうじ茶 煎茶や番茶などを強火で炒って(焙じて)作る。 香ばしい焙煎香が特徴。苦渋味が抑えられ、カフェインも少なめ。
玄米茶 煎茶や番茶などに、炒った玄米を混ぜたもの。 玄米の香ばしさと、さっぱりとした味わい。カフェインも抑えられる。
番茶(ばんちゃ) 新芽ではなく、成長して硬くなった葉や茎、一番茶を摘んだ後の二番茶以降の茶葉などで作る。 さっぱりとしてクセが少なく、日常的に飲まれる。

 

3. 紅茶の主な種類(産地別)

 

紅茶は主に産地名が銘柄になります。

種類 産地 特徴
ダージリン インド(世界三大紅茶) 「紅茶のシャンパン」とも呼ばれる。マスカットのような爽やかな香り(マスカテルフレーバー)が特徴。
アッサム インド 濃厚でコクのある味。ミルクティーによく合う。
ウバ スリランカ(世界三大紅茶) バラのような特有の香りと心地よい渋み。ミルクティー向き。
キーマン 中国(世界三大紅茶) スモーキーな香りが特徴。やわらかで甘い風味。
アールグレイ フレーバーティー 紅茶にベルガモット(柑橘)の香りをつけたもの。
嗜好品料理生活
スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました