肉離れ(ざしょう)は、筋肉が急激に収縮した際などに、筋繊維や筋膜が損傷(断裂・部分断裂)してしまう怪我です。スポーツ中に多く発生しますが、日常生活の動作でも起こることがあります。
肉離れの原因、症状、そして最も重要な応急処置について解説します。
🚨 肉離れの主な症状
肉離れを起こした瞬間、以下のような症状が現れます。
- 激しい痛み(受傷直後): 筋肉が断裂した瞬間に**「プチッ」という音**が聞こえたり、激しい痛みが走ったりするのが特徴です。
- 運動不能: 痛みが強烈なため、患部周辺の関節や筋肉を動かせなくなります。
- 腫れ・内出血: 損傷した部分で炎症が起き、すぐに腫れ(膨張)や内出血(紫色や青色の変色)が現れます。
- くぼみ: 筋肉が完全に断裂している場合など、患部にくぼみが見られることがあります。
- 好発部位: 太ももの裏(ハムストリングス)やふくらはぎに最も多く発生します。
⚡️ 肉離れの原因
筋肉が過度な負荷に耐えきれなくなることが直接的な原因ですが、以下のような要因がリスクを高めます。
- 急な動作: ダッシュ、ジャンプ、急なストップや方向転換など、急激に筋肉を伸ばしたり収縮させたりする動作。
- ウォーミングアップ不足: 筋肉が硬いまま運動を始めると、急な動きに対応できず損傷しやすいです。
- 筋肉の疲労蓄積: 疲労がたまると筋肉の柔軟性が失われ、硬直して肉離れにつながりやすくなります。
- 水分不足: 体内の水分が不足すると筋肉が硬くなり、肉離れを起こす一因となります。
🩹 最も重要な応急処置:RICE処置
肉離れを起こした直後に適切なRICE処置を行うことが、腫れや痛みを抑え、早期回復につながる基本となります。
処置 | 英語 | 内容 | 目的 |
安静 | Rest | 運動をすぐに中止し、患部を動かさないように固定して休ませる。無理に歩かない。 | 損傷の悪化を防ぐ。 |
冷却 | Icing | 患部を氷のうなどで15〜20分ほど冷やす。直接皮膚に当てず、タオルなどを挟む。 | 炎症を抑え、内出血の拡大を防ぐ。 |
圧迫 | Compression | 弾性包帯やテーピング、サポーターなどで患部を軽く圧迫する。 | 内出血と腫れを最小限に抑える。 |
挙上 | Elevation | 患部をできるだけ心臓より高い位置に上げる。 | 腫れ(膨張)の軽減を図る。 |
⚠️ 注意点
- ストレッチ禁止: 痛めた直後に無理にストレッチをすると、さらに筋肉を損傷させる可能性があるため、絶対に避けてください。
- 医療機関の受診: 応急処置をしたら、必ず整形外科を受診しましょう。重症度(部分断裂か完全断裂かなど)を診断し、適切な治療(固定、投薬、リハビリなど)を受けることが完全回復への近道です。