バイカル湖の「すごい」ところは、まさに世界一の記録と、独特な生態系、そして神秘的な自然景観が共存している点にあります。
主に以下の4点が突出しています。

1. 🌍 世界一の「深さ」と「貯水量」
- 世界一深い湖:
- 最大水深は1,642m(または1,741mとも)に達し、世界で最も深い湖です。
- 世界最大の淡水貯水量:
- その深さから、地球上の**凍っていない淡水の約17%〜20%**がこの湖に蓄えられています。これは世界の淡水の5分の1がバイカル湖にある計算になります。
2. ✨ 世界一の「透明度」と「古さ」
- 世界一高い透明度:
- 水の透明度が極めて高く、冬の時期には厚い氷の上からでも水深40m先まで見通せるほどです。この透明度は、湖底に生息する**カイメン(海綿動物)**などが水を浄化していることによると言われています。
- 世界最古の古代湖:
- 約2,500万年〜3,000万年前に誕生したとされ、世界で最も古い湖(古代湖)です。これは地殻変動(地溝帯)によって形成されたため、一般的な湖が埋まって消滅していくのに対し、今も湖底が広がり続けています。
3. 🐒 固有種の宝庫「ロシアのガラパゴス」
- 独自の進化を遂げた生物多様性:
- 長い歴史と外界から隔絶された環境により、生息する生物種の約70%〜80%が固有種(その湖にしかいない種)です。このため、「生物進化の博物館」や「ロシアのガラパゴス」とも称されます。
- 特に有名な固有種は、世界で唯一淡水に生息するアザラシであるバイカルアザラシです。

4. 💎 息をのむ「氷の絶景」
- 神秘的な氷の世界:
- 厳冬期(1月〜5月)には湖面が全面的に凍結し、その透明度の高い水で作られた氷が、光を透過してエメラルドグリーンに輝きます。
- 湖面の氷には、太陽光で熱せられた氷が割れて盛り上がる**「御神渡り」(日本の諏訪湖のものよりはるかに大規模)や、メタンガスなどが凍ってできる「アイスバブル」**など、ここでしか見られない幻想的な造形が見られます。
これらの特徴から、バイカル湖は1996年に**ユネスコ世界遺産(自然遺産)**にも登録されています。


