【歴史解説】天皇のルーツ:神話の時代から令和の現代までをたどる
日本の天皇陛下は、世界で最も長く続く王朝「万世一系(ばんせいいっけい)」の家系として知られています。その歴史を大きく4つの時代に分けて見ていきましょう。
1. 誕生:神話と古墳時代(古代)

天皇家(皇室)のルーツは、日本最古の歴史書『古事記』や『日本書紀』に記されています。
天孫降臨(てんそんこうりん): 太陽の女神・天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫であるニニギノミコトが、地上を治めるために降臨したのが始まりとされます。
初代・神武天皇(じんむてんのう): 紀元前660年2月11日(現在の建国記念の日)、神武天皇が奈良の橿原宮(かしはらのみや)で即位しました。
歴史のポイント: 3世紀から4世紀頃には、巨大な前方後円墳(大仙陵古墳など)が造られるほどの強力な権力を持つ「大王(おおきみ)」が存在し、これが現在の天皇の歴史的実体とされています。
2. 権威の確立:公家政権と武士の台頭(中世)


聖徳太子の時代には「天皇」という称号が定着し、律令国家が形成されました。
平安時代: 天皇を中心とした華やかな貴族文化が花開きました。
武士の時代: 鎌倉・室町・江戸時代になると、政治の実権は将軍(武士)に移ります。しかし、将軍を任命する権限は常に天皇にあり、「政治の力(将軍)と権威の象徴(天皇)」という日本独特の二重構造が続きました。
3. 近代化:明治維新と大日本帝国(近代)

幕末の混乱を経て、1868年の明治維新により、天皇は再び政治の中心へと戻ります。
明治憲法下: 天皇は「国の元首」であり、軍隊を統率する「大元帥」としての役割も担いました。
皇室典範の制定: この時代に、現在の皇位継承などのルールが法律として整備されました。
4. 象徴天皇制:戦後から令和へ(現代)

1945年の終戦後、天皇のあり方は劇的に変化しました。
日本国憲法: 天皇は「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と定められました。政治的な権限を持たず、国民の幸福を願い、文化行事や国際親善、被災地訪問などの公務に尽力される存在となりました。
令和の即位: 2019年、上皇さまの譲位(じょうい)により、今上天皇(徳仁さま)が即位されました。これは約200年ぶりの譲位として大きな歴史の節目となりました。
皇室の歴史まとめ表
| 時代 | 天皇の役割 | 主な出来事 |
| 古代 | 祭祀王・絶対的統治者 | 神武東征、律令国家の完成 |
| 中世・近世 | 文化・権威の象徴 | 幕府への政権委託(将軍任命) |
| 近代 | 元首・大元帥 | 明治維新、帝国憲法の発布 |
| 現代 | 日本国の象徴 | 日本国憲法、国際親善と祈り |


