黄砂に含まれる危険な物質とは?発がん性物質や細菌、PM2.5の健康被害を解説

コラム

黄砂は単なる「砂」ではなく、中国大陸の砂漠地帯から偏西風に乗って運ばれてくる過程で、工業地帯の汚染物質や微生物を吸着し、非常に複雑な汚染物質の混合体へと変化しています。

黄砂に含まれる主な危険・有害物質は、大きく分けて以下の4つのカテゴリーがあります。


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1. 化学的な汚染物質(大気汚染物質)

輸送途中に中国などの工業地帯を通過する際、排気ガスや工場の煙を取り込みます。

  • 硫酸イオン・硝酸イオン: 石炭や石油の燃焼で発生し、酸性雨の原因にもなる物質。粘膜を刺激します。

  • 多環芳香族炭化水素 (PAHs): 発がん性が指摘されている有機化合物。

  • 重金属: 鉛、カドミウム、クロムなどの有害な金属。これらは微量でも体内に蓄積する恐れがあります。

2. 微生物(細菌・カビ・ウイルス)

砂の粒子の表面には、多くの微生物が付着して生きたまま運ばれてきます。

  • 細菌(枯草菌・セレウス菌など): 土壌由来の菌ですが、中には日和見感染症や食中毒の原因となるものも。

  • 真菌(カビ・ビルカンデラ菌): 喘息やアレルギー症状を引き起こす原因物質として特に警戒されています。

  • LPS(リポ多糖): 細菌の細胞壁に含まれる毒素成分。これが肺に入ると強い炎症反応を引き起こし、喘息を悪化させます。

3. PM2.5(微小粒子状物質)

黄砂粒子の直径は約4マイクロメートル程度ですが、その中にはさらに小さい2.5マイクロメートル(PM2.5)が多く含まれています。

  • 肺の奥まで侵入: 非常に小さいため、鼻や喉のフィルターを通り抜け、肺胞(肺の最深部)まで到達します。

  • 血管への侵入: 肺から血液中に入り込み、心筋梗塞や脳梗塞などの循環器系疾患のリスクを高めるという衝撃的な研究結果もあります。

4. 放射性物質

ごく微量ですが、過去の核実験などの影響で土壌に含まれていた物質が運ばれることがあります。

  • セシウム137: 過去の調査で、黄砂の飛来とともに検出がわずかに増えることが報告されています。


注意点:花粉との相乗効果

特に春先、黄砂は花粉症を悪化させる「最悪のパートナー」となります。黄砂が花粉と衝突して花粉を粉砕し、より小さなアレルゲンを放出させたり、付着した化学物質が鼻の粘膜を傷つけて花粉を取り込みやすくしたりするためです。

対策: 黄砂がひどい日は「不織布マスク」の着用(PM2.5対応が望ましい)、帰宅時の「うがい・手洗い・服を払う」、洗濯物の「室内干し」を徹底することをお勧めします。

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