南米を中心に恐れられてきた未確認生物(UMA)「チュパカブラ」。その正体については、長年の調査と科学的な分析により、現在では主に「重度の皮膚病にかかった野生動物」であるという説が有力視されています。
かつては「宇宙人のペット」や「翼を持つ怪獣」のように語られましたが、現実的な正体は以下のように分析されています。
1. 疥癬(かいせん)を患ったコヨーテやイヌ
最も有力な説です。疥癬(かいせん)というヒゼンダニによる皮膚病にかかったコヨーテや野犬、アライグマなどは、以下のような特徴を持つようになります。
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毛が抜け落ちる: 全身の毛が失われ、皮膚が露出して黒ずんだり、しわが寄ったりします。
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異様な姿: 健康な時とは別種に見えるほど風貌が変わり、特に背中の皮膚が盛り上がって「トゲ」のように見えることがあります。
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行動の変化: 体力が衰えた個体は、素早い野生の獲物を追うのが難しくなり、比較的襲いやすい家畜(ヤギやヒツジ)を狙うようになります。
2. 映画の影響による「誤認」
1995年にプエルトリコで初めてチュパカブラを報告した女性の証言(二足歩行、背中にトゲ、大きな赤い目)は、当時公開されていたSFホラー映画『スピーシーズ 種の起源』に登場するクリーチャーのデザインと酷似していることが判明しています。 初期の「トゲのある二足歩行の怪物」というイメージは、目撃者の記憶が映画に影響された可能性が高いと考えられています。
3. その他の説
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アカゲザル: プエルトリコで実験動物として飼われていたサルが脱走し、二足歩行する姿が誤認されたという説。
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吸血コウモリや野犬: 家畜の首に穴が開いて血が抜かれているように見えるのは、野犬が喉元を噛んで仕留める習性や、死後に昆虫などが傷口から体液を吸うことで説明できる場合が多いです。
結論
現在「チュパカブラ」として捕獲されたり写真に撮られたりする生物のほとんどは、DNA鑑定の結果、「重度の疥癬にかかったコヨーテやイヌ」であることが確認されています。
伝説は恐ろしい怪物として広まりましたが、その裏側には、病気に苦しみ生きるために人里に現れた動物たちの悲しい姿があったというのが現代の科学的な見解です。


