2026年五輪新競技「SKIMO(スキーモ)」とは?ルール・種目・伝説のレース「ピエラ・メンタ」について解説

コラム

スキーマウンテニアリング(Ski Mountaineering)、通称**「SKIMO(スキーモ)」**について詳しく解説します。

2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックから正式種目となるこの競技は、一言で言えば**「雪山をいかに速く登り、いかに速く滑り降りるか」**を競う、非常に過酷でエキサイティングなスポーツです。


1. 基本的な競技の流れ

一般的な「スキー」はリフトなどで登ってから滑るだけですが、SKIMOは自力で登るところから始まります。

  1. 登坂(ハイクアップ): スキー板の底に「シール」と呼ばれる滑り止めの布を貼り、雪山を駆け登ります。

  2. 担ぎ(ブートパック): 傾斜が急すぎてスキーで登れない場所では、板をバックパックに固定し、ツボ足(靴だけ)で雪壁を登ります。

  3. 切り替え(トランジション): 山頂に到達したら、素早くシールを剥がし、バインディングを滑走モードに切り替えます。この「手際の良さ」もタイムに大きく影響します。

  4. 滑降(ダウンヒル): 急斜面のオフピステ(圧雪されていない斜面)を一気に滑り降ります。

2. オリンピックで実施される3つの形式

2026年大会では、観客が観戦しやすく、短い時間で決着がつく以下の3種目が採用されます。

  • スプリント(男子・女子)

    • 標高差約70mの短いコースで行われる超ハイスピードレース。

    • 3分前後の短時間決戦で、登り・歩き・滑走のすべてが凝縮されています。

  • 混合リレー

    • 男女1名ずつのペアで交互にコースを回ります。チームワークと戦略が重要です。

3. 特殊な専用ギア(道具)

極限まで軽量化されているのが特徴です。

  • スキー板: 登りの負担を減らすため、非常に細く、驚くほど軽いです(1本700g〜800g程度)。

  • ブーツ: 足首が前後によく動くように設計されており、登りは歩きやすく、滑る時は固定できるようになっています。

  • シール: 進行方向には滑り、逆方向には毛が立って雪を噛む特殊な布です。

4. 歴史と背景

もともとはアルプス地方などの軍隊のトレーニングや、山岳救助隊の技術がスポーツ化したものです。欧州では伝統あるスポーツで、「ピエラ・メンタ」のような過酷な山岳地帯を数日間かけて走破する有名な大会も存在します。

*ピエラ・メンタ(Pierra Menta)とは、SKIMO(スキーマウンテニアリング)の世界において**「ツール・ド・フランスの山岳スキー版」**と称される、最も過酷で、最も権威のある伝説的なレースです。フランス・サヴォワ地方アレッシュ=ビューフォートという町を拠点に、毎年3月に開催されます。大会名の「ピエラ・メンタ」は、コースから見える巨大な岩の塔(Pierra Menta)に由来しています。SKIMO選手にとって、このレースを完走することは一種の「聖地巡礼」のような特別な意味を持っています。

 形式: 2人1組のチーム戦。

 期間: 4日間にわたるステージレース。

 過酷さ: 4日間で登る総標高差は約10,000m

 ルート: 標高2,000m〜2,700m級の鋭い稜線や急斜面を駆け抜けます。

オリンピック競技としてのSKIMOは「短距離のスピード決戦」が主流ですが、このピエラ・メンタのような「長距離・多日間の冒険」こそが、このスポーツの真の魂だと言われています。

「雪上のトレイルランニング」と「アルペンスキー」を合体させたようなこの競技は、選手の心肺機能の強さと、厳しい自然に対応するスキルの両方を見ることができ、2026年五輪の目玉の一つになると言われています。

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