救急車のサイレンが聞こえてくるまでの時間は、平均で約10分と言われています。この「空白の10分」に何ができるかで、救える命の確率が劇的に変わります。
2026年、スマホやスマートウォッチの普及で救急要請の形も進化していますが、現場で「人の手」にしかできない重要なアクションをまとめました。
1. 【最優先】意識と呼吸を確認する
救急車を呼んだ直後、まず以下の2点を確認してください。
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意識はあるか: 肩を叩きながら大声で呼びかけ、反応があるか。
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普段通りの呼吸か: 胸や腹部の動きを見て、10秒以内に判断します。「死戦期呼吸(あえぐような呼吸)」は呼吸なしと判断してください。
意識も呼吸もない場合: すぐに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始してください。2026年現在、街中の多くの場所に設置されているAEDの使用も不可欠です。スマホのスピーカーをオンにして、通信指令員の指示を仰ぎながら続けてください。
2. 救急隊がスムーズに活動できる「環境作り」
救急隊が到着してから1秒でも早く処置を始められるよう、周囲の準備を整えます。
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入り口の確保: 玄関の鍵を開け、廊下や動線の荷物をどかします。
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ペットを別室へ: 救急隊が驚いたり、ペットが興奮して処置を妨げたりしないよう、ケージに入れるか別室に移動させます。
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照明を明るく: 夜間であれば、外灯をつけ、家中の電気を明るくして場所を分かりやすくします。
3. 「情報の整理」と「持ち物」の準備
到着後、必ず聞かれる情報をまとめておくと、病院選定がスムーズになります。
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伝えるべき情報(メモしておくとベスト):
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いつから(症状が出た時間)
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どんなふうに(頭が痛い、急に倒れたなど)
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持病・飲んでいる薬
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アレルギーの有無
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準備しておくもの:
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健康保険証 / マイナンバーカード(2026年現在はマイナ保険証が主流です)
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お薬手帳
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スマートフォン
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靴(本人が履くもの。搬送時に忘れがちです)
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4. 2026年ならではの「デジタル活用」
最近では、救急現場での情報の受け渡しがデジタル化されています。
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緊急連絡先の設定(メディカルID): iPhoneやAndroidの「メディカルID」を設定していれば、ロック画面からでも持病や緊急連絡先を確認できます。もし本人のスマホが手元にあれば、救急隊に見せてください。
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オンライン診療の履歴: 直近でオンライン診療などを受けていた場合は、そのアプリ画面も貴重な情報源になります。
結び:最大の貢献は「落ち着くこと」
目の前で誰かが倒れると、誰でも動揺します。しかし、あなたが通信指令員の指示に従い、深呼吸をしてそばにいてあげるだけで、患者の不安は和らぎ、生存率は確実に上がります。
「救急隊が来るまで、自分一人ではない」という意識を持って、できることから始めてみてください。

