日本の食文化の層の厚さを象徴する「100年以上続く飲食店」をテーマに、1800文字程度のブログ記事を作成しました。
単なるグルメガイドではなく、その店が歩んできた歴史や「のれん」を守るための哲学に触れる内容にしています。
【保存版】一度は行きたい!日本を代表する「創業100年超え」の老舗飲食店10選
移り変わりの激しい飲食業界において、10年続く店はわずか数パーセントと言われています。そんな中、100年以上、中には数百年という時を超えて「のれん」を守り続けている店が日本には存在します。
なぜそれほど長く愛されるのか?そこには、時代に合わせた進化と、決して変えてはいけない「味の真髄」があります。今回は、東京を中心に全国から厳選した、歴史を味わう老舗飲食店10選をご紹介します。
1. 駒形どぜう(東京・浅草)
創業:1801年(享和元年) 江戸時代の情緒を今に伝える、どじょう料理の最高峰です。初代が「四(し)」という不吉な音を嫌い、「どぢやう」を「どぜう」と3文字に変えたというエピソードも有名。 地下の酒蔵で仕込まれた味噌と、たっぷりのネギ、そして炭火で煮込まれるどじょう。創業時から変わらない板の間の座敷でいただくその味は、まさに「江戸の粋」そのものです。
2. 浅草 今半(東京・浅草)
創業:1895年(明治28年) 文明開化の象徴である「牛なべ(すき焼き)」を今に伝える名店。創業当時は、今では考えられないような「牛肉を食べる=最先端」という熱気がありました。 厳選された黒毛和牛と、秘伝の割り下。時代が進んでも、肉の切り方一つ、野菜の並べ方一つに妥協しない職人の技が、お祝い事や特別な日の食事として選ばれ続ける理由です。
3. 総本家 更科堀井(東京・麻布十番)
創業:1789年(寛政元年) 江戸のそば御三家の一つ「更科」の総本家。そば粉の芯の部分だけを使った、真っ白で上品な「更科そば」の代名詞です。 江戸時代には将軍家へも献上されていたという格式高い味。しかし、現代でもその敷居は高すぎず、誰もが「本当に美味しいそば」を楽しめる場として賑わっています。打ちたてのそばの香りは、200年以上前の人々も同じように楽しんでいたはずです。
4. 伊豆栄(いずえい)(東京・上野)
創業:江戸中期(約300年前) 上野・不忍池のほとりで、徳川将軍家の時代から続くうなぎの老舗です。 「江戸前」の伝統にこだわり、砂糖を使わずに醤油とみりんで仕上げるキリッとした辛口のタレが特徴。時代の流れで甘いタレが流行しても、頑なにこの味を守り続けてきました。変わらぬ味があるからこそ、親子三代で通うファンも多いのです。
5. 瓢亭(ひょうてい)(京都・南禅寺)
創業:江戸中期(約450年前) もともとは南禅寺の参拝客に茶を振る舞う茶屋として始まりました。 名物の「瓢亭たまご」は、その絶妙な半熟加減が400年以上前から愛され続けているというから驚きです。懐石料理という日本の美学を極めつつも、朝粥(あさがゆ)といった親しみやすいメニューで食の楽しさを伝え続ける、京都が世界に誇る名店です。
6. かめや(東京・新宿)
創業:1942年頃(戦時中からのルーツ) 100年という括りでは若手に思えるかもしれませんが、新宿「思い出横丁」で戦後の復興を支えてきた立ち食いそばの聖地です。 元祖とされる「天玉そば」は、今や日本のファストフード文化の象徴。24時間営業を守り続け、忙しい都会の人々に安くて温かい一杯を提供し続ける。これもある種の「伝統の継承」と言えるでしょう。
7. 本家 尾張屋(京都・中京区)
創業:1465年(寛正6年) 驚くべきことに、創業から550年を超える日本最古級の飲食店です。 もともとは菓子屋として始まり、後にそばを扱うようになりました。御所へも出入りしていた格式がありながら、今でも京都の街角で静かにのれんを掲げています。「宝来そば」など、京都らしい繊細な盛り付けと出汁の香りは、日本の食のルーツを感じさせてくれます。
8. 萬珍樓(まんちんろう)(神奈川・横浜中華街)
創業:1892年(明治25年) 日本最大のチャイナタウン、横浜中華街の歴史と共に歩んできた広東料理の老舗です。 明治時代、海外からの文化が入り混じる混沌とした中で、本場の味を日本に定着させました。壮麗な建築デザインと、化学調味料に頼らない自然な旨みの料理は、中華街において圧倒的な格の違いを感じさせます。
9. 自由軒(大阪・難波)
創業:1910年(明治43年) 大阪で初めての西洋料理店として誕生。作家・織田作之助の小説にも登場する「名物カレー」があまりにも有名です。 ご飯とカレーをあらかじめ混ぜ合わせ、真ん中に生卵を落とすスタイルは、当時の日本人にとって衝撃的なアイデアでした。今も難波の本店に行けば、当時と変わらぬ雰囲気の中で、大阪の活気を感じながらカレーを頬張ることができます。
10. 崎陽軒(神奈川・横浜)
創業:1908年(明治41年) 駅弁の代名詞「シウマイ弁当」で知られる崎陽軒も、100年を超える歴史を持ちます。 冷めても美味しいようにと開発されたシウマイ。帆立の貝柱を隠し味に使う独自の製法は、一度食べたら忘れられない味として横浜市民、そして日本全国に愛されています。レストラン店舗では、弁当とは一味違う本格的な中華コースも楽しめます。
なぜ老舗の料理は美味しいのか?
100年以上続く飲食店に共通しているのは、**「守破離(しゅはり)」**の精神です。
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守:創業からの秘伝のタレや出汁、技術を頑なに守る。
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破:時代に合わせて、例えば少しだけ塩分を控えたり、器をモダンにしたりと、微調整を厭わない。
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離:その店にしか出せない、唯一無二の「風格」を確立する。
客側もまた、「この店に来れば安心できる」という信頼を買いに行っているのです。
まとめ
今回ご紹介した10軒の店は、単にお腹を満たす場所ではありません。日本の歴史の一部を、五感を使って体験できる貴重な場所です。
高層ビルが立ち並び、流行の店が次々と現れては消える時代だからこそ、100年以上そこにある「のれん」をくぐってみてください。そこには、何世代にもわたって人々を笑顔にしてきた、魔法のような一杯が待っているはずです。
いかがでしたでしょうか? あなたが次のお休みに、歴史を味わいに行きたいと思ったお店はどこですか?


