ここ数年、韓国や日本に続く“次の美容トレンド”として注目されているのが、タイ発の美容カルチャー、いわゆる T-Beauty(タイ美容) です。SNSで見るタイのセレブや俳優、インフルエンサーたちは、派手すぎず、それでいて印象に残る「整った美しさ」をまとっています。この記事では,単なるコスメ紹介にとどまらず,タイという国がもつ「外観(見た目)への考え方」タイ人の美容に対する価値観 ・男性用・女性用それぞれの肌質と美容目的の違い までを含めて,2026年に向けたタイ美容の全体像を整理します。
タイという国の「外観」に対する考え方
タイでは、外見の美しさは単なる自己表現ではなく、他者への配慮や社会的マナーの一部として捉えられています。背景にあるのは、「サバーイ(心地よさ)」と「クライアング・チャイ(相手を思いやる気持ち)」という文化的価値観です。清潔感があり、場に合っていて,見る人に違和感や不快感を与えない外見であることが重要とされます。そのため,タイで理想とされるのは,派手すぎない ・作り込みすぎない ・でも、きちんと手入れされている というバランスの取れた外観です。王室文化や仏教的な価値観の影響もあり,「穏やかさ」「品」「調和」が長く美徳とされてきました。現在のタイ美容で重視される“ツヤ肌”や“透明感”は、まさにこの価値観の延長線上にあります。
タイ人の美容に対する基本的な考え方
タイでは、美容は特別なものではなく、日常的なセルフケアとして生活に溶け込んでいます。年齢や性別を問わず、スキンケアをすることは自然な行為です。多くのタイ人が共有している感覚として肌は体調や生活習慣を映すもの スキンケアは健康管理の一部 メイクは印象を整えるための手段 というものです。そのため,「まず肌を整える」ことが最優先で,メイクは軽く仕上げる傾向があります。重ねすぎない、疲れさせない、長時間安定する処方が好まれるのも特徴です。また,伝統的なハーブ文化の影響から,即効性よりも「続けたときの安定感」「肌へのやさしさ」を重視する人が多いのも、タイ美容ならではと言えるでしょう。
タイ男性の肌質と美容目的
肌質の傾向
・皮脂分泌が多い
・毛穴が目立ちやすい
・紫外線ダメージを受けやすい
・シェービングによる刺激が起こりやすい
美容の主な目的
タイ男性の美容は、「若く見せる」よりも、清潔感と信頼感を保つことが中心です。
・テカリやニキビを防ぐ ・日焼けやくすみを抑える ・仕事や対人場面で好印象を与える ・やりすぎない自然な仕上がり
スキンケアは、洗顔・保湿・UVケアを軸にしたシンプルな構成が主流です。BBクリームやトーンアップ下地も、「隠す」ためではなく「整える」ために使われます。
タイ女性の肌質と美容目的
肌質の傾向
・混合肌〜脂性肌が多い
・水分不足によるインナードライ
・紫外線と湿度によるストレス
・色ムラやくすみが出やすい
美容の主な目的
タイ女性にとってのゴールは,素肌がきれいな人に見えることです。
自然なツヤと透明感 均一で明るい肌トーン 健康的な血色感 高温多湿でも崩れにくいこと。
スキンケアは保湿とバリア機能を重視し、ベースメイクは薄く。ポイントメイクで表情を引き立てるのが主流です。
「作り込む美」よりも、「底上げされた素肌感」が好まれます。
国別・男女別で見るタイ美容の捉え方と実践ポイント
ここでは、国(タイ/日本)× 性別(男性/女性)に分けて、実際の肌ニーズと美容の目的を整理します。
タイ人男性|清潔感と信頼感を最短距離でつくる
【肌環境】 高温多湿・強い紫外線の影響で皮脂分泌が多く、毛穴が目立ちやすい。
【目的】 ・テカリを抑える ・ニキビや肌荒れを防ぐ ・仕事・対人場面での信頼感
【実践ポイント】 洗顔→軽い保湿→UVケアの3点を軸に、トーン補正は最小限。「やっている感」を出さないのが基本。
タイ人女性|素肌の完成度を高める“底上げ美容”
【肌環境】 混合肌〜脂性肌が多く、インナードライになりやすい。
【目的】 ・ツヤと透明感 ・均一な肌トーン ・崩れにくさ
【実践ポイント】 スキンケア重視でベースは薄く。ポイントメイクで表情をつくり、「素肌がきれいな人」に見せる。
日本人男性|タイ美容を“引き算”で取り入れる
【肌環境】:比較的皮脂は少なめだが、乾燥や髭剃りダメージが出やすい。
【目的】:疲れて見えないこと ・清潔感の維持 ・自然なトーン補正
【実践ポイント】:タイ向けの皮脂抑制アイテムは使いすぎない。保湿を優先し、UVケアと軽い補正で整える。
日本人女性|タイ美容は“調整して使う”が正解
【肌環境】:乾燥しやすく、季節差が大きい。
【目的】 :うるおいの持続 くすみ対策 軽さと安心感
【実践ポイント】:さっぱり系のタイコスメには,日本の保湿アイテムを組み合わせる。香りやハーブ成分は慎重に選ぶ。
2026年、タイ美容が注目される理由
タイ美容が世界的に評価され始めている理由は,単なる流行ではありません。
・国の文化に根ざした美意識 ・健康と美容を切り離さない考え方 ・男女問わず現実的で続けやすい設計
これらが組み合わさり、「無理をしないのに、印象が整う」美容として支持を集めています。
日本人がタイ美容を取り入れるときの注意点
タイ美容は日本人の肌や生活にも相性が良い一方で、そのまま真似すると合わない点もあります。取り入れる際は、次の視点を意識すると失敗しにくくなります。
まず、紫外線対策と美白志向の違いです。タイでは紫外線が非常に強いため、UVケアは一年中必須ですが、「白さ」そのものよりも健康的な明るさや均一感が重視されます。日本人が使う場合、トーンアップ効果が強すぎるものは白浮きしやすいため、肌色になじむかを確認することが大切です。
次に、保湿バランスの違いがあります。タイコスメは高温多湿の環境を前提に設計されているため、さっぱりした使用感のものが多く見られます。日本の秋冬や乾燥しやすい地域では、化粧水や美容液を一段階足すなど、自分の生活環境に合わせた調整が必要です。
また、香りや植物成分への反応にも注意が必要です。タイ美容にはハーブや精油由来の成分が多く使われています。リラックス効果が高い一方で、敏感肌の人は刺激を感じる場合もあるため、初めて使うときはパッチテストを行うと安心です。
最後に、“盛る美容”に置き換えないことが重要です。タイ美容の本質は、隠す作るよりも「整える」「安定させる」ことにあります。日本的なフルメイク思考のまま取り入れると、重たく感じてしまうことがあります。スキンケア重視、メイクは引き算、という考え方を軸にすると、タイ美容の良さが活きてきます。
まとめ|タイ美容は“外見で調和をつくる文化”
タイ美容の本質は、外見を通して自分と周囲との調和をつくることにあります。国としての外観への価値観 人々の内面にある配慮と心地よさ ・男女それぞれの肌質と現実的な目的これらを理解したうえでタイコスメやスキンケアを選ぶと、「なぜ使いやすいのか」「なぜ心地いいのか」が自然と見えてきます。2026年に向けて、タイ美容は“派手さ”ではなく、“続けられる美しさ”として、さらに存在感を増していくでしょう。


