地球上には、私たちの想像を絶するような不思議な特徴を持った湖が点在しています。色が鮮やかすぎるもの、物理的にありえない現象が起きているもの、あるいは歴史的に特別な意味を持つものなど、世界にある「珍しい湖」をテーマ別に厳選してご紹介します。
1. 視覚を疑う「極彩色の湖」
まず目を引くのは、自然が生み出したとは思えないほど鮮やかな色を持つ湖です。
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ヒリアー湖(オーストラリア) 西オーストラリア州のミドル島にあるこの湖は、鮮やかなピンク色をしています。その色はイチゴミルクのようで、グラスに汲み上げても色は変わりません。原因は完全には解明されていませんが、塩分濃度の高い環境で繁殖するドナリエラという藻類や、特定の細菌が色素を生成しているためと考えられています。
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ラグナ・コロラダ(ボリビア) ウユニ塩湖の近くにあるこの湖は、血のような赤色をしています。これは水中に生息する藻類と沈殿物の色によるもので、白いホウ砂の島々とのコントラストが絶景です。ここには希少なフラミンゴが多く生息し、赤色の湖面とピンクの鳥たちが織りなす風景は幻想的です。
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ケリムトゥ山の三色湖(インドネシア) フローレス島の火山頂上には3つの噴火口湖がありますが、驚くべきことに3つとも色が異なり、さらに時期によって色が変化します。青、緑、赤、黒など、地下の火山ガスの成分変化によって色が入れ替わるため、訪れるたびに違う表情を見せます。
2. 物理現象が「奇妙な湖」
科学的な興味をそそる、特殊な性質を持つ湖も存在します。
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スポッテッド・レイク(カナダ) 夏になると水分が蒸発し、湖面に**水玉模様(スポット)**が現れます。マグネシウムやカルシウム、硫酸ナトリウムなどの鉱物が非常に高濃度で含まれており、水が引いた後に結晶化した鉱物の「歩道」と、色のついた小さなプールが点在する独特の景観を作り出します。
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ボイリング・レイク(ドミニカ国) 文字通り**「沸騰している湖」**です。カリブ海のドミニカ共和国ではなく、ドミニカ国にあります。湖底の亀裂からマグマの熱が伝わり、中心部は常に沸騰しており、周囲は濃い湯気に包まれています。世界で2番目に大きな熱水湖として知られています。
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ピッチ・レイク(トリニダード・トバゴ) この湖を満たしているのは水ではなく、**天然のアスファルト(ピッチ)**です。世界最大のアスファルト湖であり、表面は歩けるほど固まっていますが、中ではゆっくりと対流が起きています。太古の動物の化石が浮き上がってくることもあり、地学的なタイムカプセルの役割も果たしています。
3. 生態系と記録の「極限の湖」
世界一の称号を持つ湖や、特異な進化を遂げた生物が住む湖です。
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ジェリーフィッシュ・レイク(パラオ) 数百万匹もの**ゴールデンジェリーフィッシュ(クラゲ)**が棲息する隔離された湖です。外敵がいなくなったことで毒針が退化しており、クラゲの群れと一緒に泳ぐことができる世界でも稀な場所です。
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バイカル湖(ロシア) 「シベリアの真珠」とも呼ばれるこの湖は、世界最深(約1,600m以上)かつ世界最古の湖です。世界中の凍っていない淡水の約20%がここに集中しています。バイカルアザラシなどの固有種が豊富で、冬には驚異的な透明度を誇る「氷の宝石」のような景色が見られます。
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死海(イスラエル・ヨルダン) 湖面の標高が海抜マイナス400m以下という**「世界で最も低い場所」**にある塩水湖です。塩分濃度は約30%を超え、魚は住めませんが、人間はぷかぷかと浮くことができます。ミネラル豊富な泥は美容にも良いとされています。
4. 恐ろしくも美しい「毒と死の湖」
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ナトロン湖(タンザニア) 強アルカリ性のこの湖は、その腐食性の高さから**「動物を石にする湖」**として恐れられています。高い温度とアルカリ成分により、死んだ動物の体が腐敗せずに石灰化し、ミイラのような姿で残ることがあります。しかし、この過酷な環境を好む小型フラミンゴにとっては、天敵のいない貴重な繁殖地となっています。

