- ブランドの格付け（伝統、技術力、ステータス性）
- 資産価値（リセールバリュー）
- 最も高価な個別の時計
それぞれの観点から、代表的なブランドやモデルを詳しく解説します。
1. ブランドの格付け（伝統、技術力、ステータス性）
この観点では、創業からの歴史、複雑な機構（コンプリケーション）を自社で製造する技術力、そして時計愛好家やコレクターの間での評価が重要視されます。
- 世界三大時計ブランド:
- パテック・フィリップ（Patek Philippe）:
- 創業1839年。”世界最高の時計”と称され、その卓越した技術と芸術性は業界の頂点に君臨します。
- 永久修理を掲げており、世代を超えて受け継がれる「一生モノの時計」として高い評価を得ています。
- 代表作：ノーチラス、カラトラバ
- ヴァシュロン・コンスタンタン（Vacheron Constantin）:
- 創業1755年。現存する世界最古の時計メーカーで、創業以来一度も途切れることなく時計を作り続けています。
- 美しい装飾と複雑な機構が特徴で、芸術性の高い時計を数多く生み出しています。
- 代表作：オーヴァーシーズ、パトリモニー
- オーデマ・ピゲ（Audemars Piguet）:
- 創業1875年。革新的なデザインで知られ、特に「ロイヤルオーク」は高級スポーツウォッチというジャンルを確立しました。
- 独創的なデザインと高い技術力が融合しており、多くのセレブリティに愛用されています。
- 代表作：ロイヤルオーク
- パテック・フィリップ（Patek Philippe）:
- 世界五大時計ブランド:
- 上記の三大ブランドに、さらに2つのブランドを加えて「五大ブランド」と称されることがあります。
- ブレゲ（Breguet）:
- 創業1775年。”時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ”と呼ばれたアブラアン＝ルイ・ブレゲが創業者で、数々の発明（トゥールビヨンなど）で時計史に大きな影響を与えました。
- そのクラシックで洗練されたデザインは、多くのブランドに影響を与えています。
- A.ランゲ&ゾーネ（A. Lange & Söhne）:
- 創業1845年。ドイツのブランドで、スイス時計とは異なる独自の哲学と緻密な技術を持つことで知られます。
- 時計の裏側まで美しく仕上げるこだわりが特徴で、芸術品のような時計を生み出しています。
- 代表作：ランゲ1
2. 資産価値（リセールバリュー）
高級時計を投資の対象として見た場合、購入価格に対して売却価格がどの程度になるかが重要になります。この観点では、市場での需要と供給のバランスが大きく影響します。
- 1位：ロレックス（Rolex）:
- 圧倒的な知名度と信頼性があり、世界中で高い人気を誇ります。
- 特に「デイトナ」「サブマリーナー」「GMTマスター」といった人気モデルは、正規店では入手困難なため、中古市場で定価を大きく上回る価格で取引されることが珍しくありません。
- 投資目的で購入する時計として最も安定したブランドと言えます。
- 2位：パテック・フィリップ（Patek Philippe）:
- 前述の通り、ブランドとしての格付けは最高峰であり、それに伴い資産価値も非常に高いです。
- 特に「ノーチラス」や「アクアノート」といったスポーツモデルは、生産数が少ないため、中古市場では驚くような高値で取引されています。
- 3位：オーデマ・ピゲ（Audemars Piguet）:
- 「ロイヤルオーク」は、ラグジュアリースポーツウォッチのアイコンとして絶大な人気があり、こちらも中古市場での価格が高騰しています。
3. 最も高価な個別の時計
これは特定のブランドやモデルのランキングではなく、オークションなどで取引された史上最高額の時計のランキングです。これらの時計は、ダイヤモンドなどの宝石がふんだんに使われていたり、歴史的な価値があったり、唯一無二の希少性を持っていたりします。
- グラフ ハルシネーション（Graff Hallucination）:
- 約55億円。宝石ブランド「グラフ」が制作した時計で、約110カラットの色鮮やかなファンシーカラーダイヤモンドで覆われています。
- グラフ ザ・ファシネーション（Graff The Fascination）:
- 約44億円。こちらもグラフが制作したもので、取り外し可能なダイヤモンドのリングが付いています。
- パテック・フィリップ グランドマスター・チャイム Ref.6300A-010:
- オークションで約33億円で落札された、史上最高額の腕時計です。20種類もの複雑な機構を搭載した、パテック・フィリップの技術の粋を集めた逸品です。
これらのランキングはあくまで一つの目安であり、時計の価値は個人の好みや目的によっても変わります。
