サイバーナイフとは?切らないがん治療の特徴、適応疾患、治療期間を解説

コラム

サイバーナイフは、手術のように切らずに、高精度の放射線を使ってがんなどの病巣を治療する、定位放射線治療装置の一つです。

ロボットアームに搭載された小型のX線発生装置が、様々な方向から細い放射線ビームを病巣にピンポイントで集中照射します。これにより、周囲の正常な組織への影響を最小限に抑えつつ、病巣に高い線量を照射することが可能です。

 

サイバーナイフの主な特徴

 

  • 高精度なピンポイント照射: ロボットアームの自由度の高さと、ミリ単位以下の精度で病変の位置を追尾し続けるシステムにより、正確な照射が可能です。呼吸などで動く肺がん肝臓がんなどに対しても、動きに合わせてビームの位置を修正しながら照射できます。
  • 低侵襲性(身体への負担が少ない):
    • メスを使わないため、痛みや熱さを感じることはほとんどありません。麻酔も不要です。
    • 従来の定位放射線治療で必要だった、頭がい骨への金属フレーム固定も不要で、プラスチック製のマスクや固定具を使用します。
    • 多くの場合、通院(外来)での治療が可能で、治療時間も1回あたり30分から1時間程度と短く、入院期間も大幅に短縮できるため、仕事を続けながら治療を受けることも可能です。
  • 分割照射が可能: 治療を数回に分けて行う「分割照射」にも対応しており、腫瘍の大きさや重要臓器との位置関係に応じて、副作用を抑えつつ効果的な治療ができます。
  • 適応となる主な疾患: 脳腫瘍(良性・悪性・転移性)、頭頸部がん肺がん肝臓がん前立腺がん脊椎・脊髄腫瘍など、比較的サイズの小さい(概ね5cm以下)限局的な病巣に対して特に威力を発揮します。

 

治療期間について

 

疾患の種類や状態によりますが、従来の放射線治療に比べて治療回数が少なく、最短で1回から、前立腺がんなどの場合でも5回(約1週間半)程度の短期間で治療が完了することがあります。

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