ふわふわで懐っこい!フクロモモンガの飼い方と寿命、飼育環境の基本

コラム

. 驚異の飛行能力:モモンガの生態と特徴

 

モモンガが持つ最大の魅力、それはやはり「滑空」能力でしょう。彼らは翼を持っているわけではなく、前足から後ろ足にかけて張られた飛膜(ひまく)と呼ばれる皮膜を使って空を移動します。

飛膜が生み出す「空の移動術」

 

モモンガは木の上から飛び立つ際、この飛膜をいっぱいに広げ、空気抵抗を利用して斜め下に滑り降ります。その滑空距離は驚異的で、小型のニホンモモンガでも数十メートル、大型のタイリクモモンガなどでは100メートル以上を滑空できる記録があります。滑空中は尻尾を舵のように使い、急な方向転換や着地の微調整を行います。これはまさに、夜の森を知り尽くした「小さな忍者」の技と言えるでしょう。

大きな瞳が語る夜行性の生活

 

モモンガは基本的に夜行性です。彼らのトレードマークである大きく丸い瞳は、暗い夜でもわずかな光を効率よく集めるために進化しました。日中は樹洞などで眠り、夜になると活動を開始して餌を探し回ります。

彼らの主な食べ物は、木の葉、樹液、果実、種子、そして昆虫など。特に冬場は、事前に蓄えたドングリなどの貯食を頼りに生活します。

2. ペットとしてのモモンガ:人気の理由と種類

 

モモンガはその愛らしい見た目と、飼い主になつきやすい性質から、近年ペットとしての人気が急上昇しています。

フクロモモンガとニホンモモンガ

 

ペットとして飼育されるモモンガには、主に以下の2種類がいます。

  • フクロモモンガ(タイリクモモンガ科)

    • オーストラリアやインドネシアなどが原産。日本のモモンガとは別の分類に属します。

    • 比較的小型で、人によくなつき、飼い主のにおいを覚えてポーチなどで一緒に過ごすことも可能です。

    • ペットショップで最も一般的に販売されている種類です。

  • ニホンモモンガ(リス科)

    • 日本固有種であり、その可愛らしい丸顔はしばしばSNSなどで話題になります。

    • 野生動物であるため、飼育には行政の許可が必要な場合や、種の保存の観点から推奨されない場合があります。ペットとして流通しているのは、ほぼフクロモモンガです。

3. モモンガを家族に迎えるための飼育の基本

 

モモンガを飼育する際は、その生態に合わせた環境を整えることが非常に重要です。

🏠 飼育環境のポイント

 

  1. 高さのあるケージ: モモンガは滑空する習性があるため、横幅よりも高さのあるケージを選びましょう。広さがあれば、よりストレスなく運動できます。

  2. 適度な温度管理: 熱帯地方出身のフクロモモンガの場合、20〜28℃程度の温度を保つ必要があります。特に冬場は、ヒーターなどで適切な温度管理が不可欠です。

  3. 巣箱と隠れ家: 安心して眠れるように、布製のポーチや木製の巣箱を設置してあげましょう。

  4. 止まり木と遊び場: ケージ内に様々な太さの止まり木やロープを設置し、運動できる環境を作ります。

🍎 食事の基本

 

モモンガは雑食性ですが、カルシウムとリンのバランスに特に注意が必要です。

  • 主食: モモンガ専用のペレット(高タンパク・高カルシウムのもの)を基本とします。

  • 副食(タンパク質): 鶏のささみ、ゆで卵、昆虫(ミルワームなど)を与えます。

  • 副食(野菜・果物): 旬の野菜や、低糖質の果物を少量与えます。ネギ類やアボカドなど、与えてはいけないものは絶対に避けましょう。

🤝 馴らし方(コミュニケーション)

 

モモンガは慣れると非常に愛嬌があり、飼い主の手に乗ったり、肩に乗ってきたりすることもあります。

  • 夜間の活動時間を利用: 彼らが活動を始める夕方以降に、そっとポーチから出して手に乗せたり、優しく声をかけたりしてコミュニケーションを取るのが効果的です。

  • 「におい」を覚えてもらう: 飼い主のにおいがついたポーチを常用することで、安心感を抱かせることができます。

4. 知っておきたいモモンガの健康管理

 

モモンガはデリケートな生き物です。病気を早期に発見するためにも、日々の観察が欠かせません。

  • 食欲と排泄物のチェック: 食事の減り具合や、フンの形・色を毎日確認します。

  • 怪我と病気のサイン: 飛膜の小さな傷や、動きが鈍い、鼻水が出ているなどの異常が見られたら、すぐに動物病院に相談しましょう。

  • 「リス・エキゾチックアニマル専門」の病院選び: 多くの動物病院ではモモンガの診療経験が少ないため、事前にエキゾチックアニマルを専門とする病院を探しておくことが重要です。

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