2000年代:三菱が描いた「四駆・電動・未来」の系譜

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2000年代:三菱が描いた「四駆・電動・未来」の系譜

1. ASX(2001年)|初代エアトレックの原型

「Active Sports Crossover」の略で、まさに今のSUVブームを先取りした一台。

  • 特徴: 洗練されたデザインと高い走破性を両立。

  • 市販への影響: 同年に「エアトレック(初代アウトランダー)」として市販化され、三菱のクロスオーバー路線の礎を築きました。

2. CZ2 / CZ3 Tarmac(2001年)|次世代コンパクトの予感

当時の新しいデザインアイデンティティを纏ったコンパクトカー。

  • CZ2: 後の「コルト」を予感させる上質なスモールカー。

  • CZ3 Tarmac: WRC(世界ラリー選手権)のイメージを投影した、よりスポーティなハッチバック提案。

3. Space Liner(2001年)|移動するリビングルーム

「モノフォルム」という考え方を極限まで追求した、未来のMPV。

特徴: 圧倒的なホイールベースと低重心。

魅力: 後の「グランディス」に繋がる、流麗で宇宙船のようなスタイリングが来場者を驚かせました。

4. SUP(2001年)|遊び心全開のオープンSUV

「Sports Utility Pack」の名を冠した、ハイブリッド搭載のSUV。

  • 特徴: 4枚のドアがすべて「シザーズドア(跳ね上げ式)」というド派手な演出。

  • ビジョン: IT技術とアウトドアを融合させた、2000年代初頭のデジタル・ライフスタイル提案でした。

5. Concept-i(2003年)|リアエンジンの革命児

「i(アイ)」の市販化前に登場した、衝撃のパッケージング。

  • 特徴: エンジンを後ろに置く「リアミッドシップ」レイアウト。

  • 歴史: 軽自動車の概念を覆す卵型のシルエットは、そのまま2006年に「三菱・i」として市販化されました。

6. Concept-D:5(2005年)|不滅の人気車のルーツ

今なお愛される「デリカD:5」のコンセプトモデルです。

特徴: 箱型ミニバンにパジェロ譲りの走破性を合体。

魅力: 「世界唯一のオールラウンダーミニバン」という唯一無二のコンセプトは、20年経った今も色褪せていません。

7. Concept-X(2005年)|ランエボ次世代への咆哮

「ランサーエボリューションX」のプロトタイプ。

特徴: 4B11型ターボエンジンと、車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。

熱狂: サメのような鋭いフロントマスクは、三菱のスポーツマインドを象徴するアイコンとなりました。

8. i MiEV SPORT(2007年)|電気自動車×走りの楽しさ

i-MiEVの技術をスポーツカーに転換したモデル。

特徴: インホイールモーター(前輪)とリアモーターの3モーター方式。

意義: 「EVは単なる移動手段ではない」ことを証明し、現在のPHEV技術への進化を予感させました。

9. Concept-ZT(2007年)|幻のフラッグシップ

当時のディアマンテ後継とも噂された、ラグジュアリーセダン。

特徴: クリーンディーゼルとS-AWCを組み合わせた、環境と走りの両立。

質感: アルミスペースフレームを採用した軽量ボディなど、三菱が持つ最高の技術が投入されていました。

10. Concept PX-MiEV(2009年)|PHEV時代の幕開け

2000年代の締めくくりに登場した、最重要モデル。

特徴: プラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載。

未来: これが後に「アウトランダーPHEV」として結実し、世界中のSUV市場を席巻することになります。


まとめ:三菱の「挑戦」が今のSUV人気を作った

振り返ってみると、2000年代の三菱のコンセプトカーの多く(デリカ、ランエボ、i、アウトランダー)が、形を変えて実際に私たちの道を走っていることに驚かされます。

奇抜なデザインの裏側にあった「4WD技術」と「電動化」への執念が、現在の三菱のアイデンティティを形作ったと言えるでしょう。

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