- 2000年代:三菱が描いた「四駆・電動・未来」の系譜
- 1. ASX(2001年)|初代エアトレックの原型
- 2. CZ2 / CZ3 Tarmac(2001年)|次世代コンパクトの予感
- 3. Space Liner(2001年)|移動するリビングルーム
- 4. SUP(2001年)|遊び心全開のオープンSUV
- 5. Concept-i(2003年)|リアエンジンの革命児
- 6. Concept-D:5(2005年)|不滅の人気車のルーツ
- 7. Concept-X(2005年)|ランエボ次世代への咆哮
- 8. i MiEV SPORT(2007年)|電気自動車×走りの楽しさ
- 9. Concept-ZT(2007年)|幻のフラッグシップ
- 10. Concept PX-MiEV(2009年)|PHEV時代の幕開け
- まとめ:三菱の「挑戦」が今のSUV人気を作った
2000年代:三菱が描いた「四駆・電動・未来」の系譜
1. ASX(2001年)|初代エアトレックの原型

「Active Sports Crossover」の略で、まさに今のSUVブームを先取りした一台。
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特徴: 洗練されたデザインと高い走破性を両立。
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市販への影響: 同年に「エアトレック(初代アウトランダー)」として市販化され、三菱のクロスオーバー路線の礎を築きました。
2. CZ2 / CZ3 Tarmac(2001年)|次世代コンパクトの予感


当時の新しいデザインアイデンティティを纏ったコンパクトカー。
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CZ2: 後の「コルト」を予感させる上質なスモールカー。
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CZ3 Tarmac: WRC(世界ラリー選手権)のイメージを投影した、よりスポーティなハッチバック提案。
3. Space Liner(2001年)|移動するリビングルーム


「モノフォルム」という考え方を極限まで追求した、未来のMPV。
特徴: 圧倒的なホイールベースと低重心。
魅力: 後の「グランディス」に繋がる、流麗で宇宙船のようなスタイリングが来場者を驚かせました。
4. SUP(2001年)|遊び心全開のオープンSUV

「Sports Utility Pack」の名を冠した、ハイブリッド搭載のSUV。
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特徴: 4枚のドアがすべて「シザーズドア(跳ね上げ式)」というド派手な演出。
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ビジョン: IT技術とアウトドアを融合させた、2000年代初頭のデジタル・ライフスタイル提案でした。
5. Concept-i(2003年)|リアエンジンの革命児

「i(アイ)」の市販化前に登場した、衝撃のパッケージング。
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特徴: エンジンを後ろに置く「リアミッドシップ」レイアウト。
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歴史: 軽自動車の概念を覆す卵型のシルエットは、そのまま2006年に「三菱・i」として市販化されました。
6. Concept-D:5(2005年)|不滅の人気車のルーツ

今なお愛される「デリカD:5」のコンセプトモデルです。
特徴: 箱型ミニバンにパジェロ譲りの走破性を合体。
魅力: 「世界唯一のオールラウンダーミニバン」という唯一無二のコンセプトは、20年経った今も色褪せていません。
7. Concept-X(2005年)|ランエボ次世代への咆哮

「ランサーエボリューションX」のプロトタイプ。
特徴: 4B11型ターボエンジンと、車両運動統合制御システム「S-AWC」を搭載。
熱狂: サメのような鋭いフロントマスクは、三菱のスポーツマインドを象徴するアイコンとなりました。
8. i MiEV SPORT(2007年)|電気自動車×走りの楽しさ


i-MiEVの技術をスポーツカーに転換したモデル。
特徴: インホイールモーター(前輪)とリアモーターの3モーター方式。
意義: 「EVは単なる移動手段ではない」ことを証明し、現在のPHEV技術への進化を予感させました。
9. Concept-ZT(2007年)|幻のフラッグシップ

当時のディアマンテ後継とも噂された、ラグジュアリーセダン。
特徴: クリーンディーゼルとS-AWCを組み合わせた、環境と走りの両立。
質感: アルミスペースフレームを採用した軽量ボディなど、三菱が持つ最高の技術が投入されていました。
10. Concept PX-MiEV(2009年)|PHEV時代の幕開け

2000年代の締めくくりに登場した、最重要モデル。
特徴: プラグインハイブリッド(PHEV)システムを搭載。
未来: これが後に「アウトランダーPHEV」として結実し、世界中のSUV市場を席巻することになります。
まとめ:三菱の「挑戦」が今のSUV人気を作った
振り返ってみると、2000年代の三菱のコンセプトカーの多く(デリカ、ランエボ、i、アウトランダー)が、形を変えて実際に私たちの道を走っていることに驚かされます。
奇抜なデザインの裏側にあった「4WD技術」と「電動化」への執念が、現在の三菱のアイデンティティを形作ったと言えるでしょう。


