サイバーナイフとは?特徴・メリット・対象疾患をわかりやすく解説【切らない放射線治療】

コラム

サイバーナイフ(CyberKnife)は、がんや良性腫瘍を治療するための**「ロボットアーム式放射線治療システム」**です。

名前に「ナイフ」と付いていますが、実際に体を切るわけではなく、メスを使わない手術とも呼ばれるほどピンポイントで正確な照射が可能です。

サイバーナイフの主な特徴

  • 驚異的な精度: ロボットアームが多方向(1,200方向以上)から放射線を照射します。誤差は1mm未満と言われており、周囲の正常な組織へのダメージを最小限に抑えられます。

  • 「動き」を追尾する: 呼吸などで肺や肝臓などの臓器が動いても、リアルタイムでその動きを追いかけながら照射を続ける「追尾システム」が備わっています。

  • 身体への負担が少ない: 切開しないため、痛みや出血がありません。多くの場合、入院の必要がなく、通院での治療が可能です。

  • 固定が緩やか: 従来の放射線治療では頭部などを金属のフレームでガッチリ固定することがありましたが、サイバーナイフはメッシュ状のマスクなどで比較的緩やかに固定するだけで済みます。

治療の対象となる主な疾患

基本的には、比較的小さな腫瘍(一般的に3cm〜5cm以内)が対象となります。

  1. 頭頸部: 脳腫瘍(転移性脳腫瘍、聴神経腫瘍など)、頭頸部がん

  2. 体幹部: 肺がん、肝がん、前立腺がん、膵がん

  3. その他: 脊椎・脊髄腫瘍、三叉神経痛など

メリットと注意点

メリット 注意点(デメリット)
通院で治療ができ、日常生活に戻りやすい 腫瘍が大きすぎる場合は適さない
高齢や持病で手術が難しい人でも受けられる 1回の照射時間が30分〜1時間程度と長め
保険適用される疾患が多い 全ての病院に設置されているわけではない
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