日本の学校で「ウェストミンスターの鐘」がチャイムとして採用されたのには、ある中学校の先生の「生徒への思い」が関係しています。
大きな理由は、大きく分けて以下の3つです。
1. 騒がしい「ベル」の音を変えたかった
戦後まもない頃の日本の学校では、授業の始まりや終わりを知らせるために、ジリリリリ!という非常に騒がしい「非常ベル」のような音を使っていました。 1950年代、東京都大田区にある大森第四中学校の石本三四郎先生という方が、「この騒がしい音では生徒が落ち着かない。もっと心が休まるような音にできないか」と考えたのがきっかけです。
2. ラジオから流れる「ビッグ・ベン」の音
石本先生が新しい音を探していたとき、BBC(イギリスの放送局)のラジオから流れてくるロンドンの「ビッグ・ベン」の鐘の音を耳にしました。その穏やかで荘厳なメロディを気に入り、「これをチャイムにしよう!」と思いついたそうです。
3. 日本初の「電子チャイム」の開発
石本先生は、音響機器メーカー(現在のTOA株式会社)に相談し、ウェストミンスターのメロディを奏でる世界初の「自動電子チャイム」を共同で開発しました。 1954年に大森第四中学校で初めてこの音が流れると、生徒や先生たちから「気持ちが落ち着く」と大好評になり、そこから全国の学校へ一気に広がっていったのです。
もし石本先生がラジオでこの曲を聴いていなかったら、今でも学校のチャイムは「ジリリリリ!」という音だったかもしれませんね。


