自転車世界一周のギネス記録が異次元すぎる!78日で地球を走破した男の壮絶な全記録

コラム
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【限界の先へ】自転車で世界一速く地球を一周した男。78日間の絶望と栄光の記録

皆さんは「世界一周」と聞いて、どんな旅を想像しますか? 豪華客船でのんびり海を眺める旅、あるいはバックパック一つで各国の文化に触れる放浪の旅。人それぞれ理想があると思います。

しかし、世の中には「世界一周を、スポーツとして、最短時間で駆け抜ける」という、常人には理解しがたい挑戦に人生を懸けた男がいます。

彼の名は、マーク・ボーモント(Mark Beaumont)。 イギリス出身の冒険家であり、サイクリストです。

2017年、彼はそれまでの常識を覆す**「78日14時間40分」**というタイムで、自転車による世界一周のギネス世界記録を樹立しました。ジュール・ヴェルヌの小説『八十日間世界一周』を現実のものとし、さらにそれを超えたのです。

今日は、彼が走った約29,000kmの軌跡と、その過酷すぎる舞台裏についてお話しします。


「240マイル」の呪縛。想像を絶するルーティン

マークの挑戦がどれほど異常だったか。数字で見るとその凄まじさが分かります。 彼が自分に課したノルマは、**「1日平均240マイル(約386km)」**を走り続けることでした。

これを東京から大阪までの距離に例えると、毎日、東京から名古屋を通り越して京都あたりまで自転車で移動し、それを78日間、一日も休まずに繰り返すようなものです。

彼の1日のスケジュールは、まさに「機械」そのものでした。

  • 午前3時30分: 起床・朝食

  • 午前4時: 出発。ひたすらペダルを漕ぐ。

  • 日中: 16時間以上をサドルの上で過ごす。

  • 午後9時30分: 走行終了。

  • 午後10時: 就寝。睡眠時間はわずか5時間。

「景色を楽しむ余裕なんて、1秒もなかった」と後に彼は語っています。視界にあるのは、アスファルトの路面と、時折現れるサポートカーのテールランプだけ。極限の疲労の中で、彼はただ「物理的に移動するマシン」へと化していきました。


襲いかかるトラブルと、折れない心

この旅は、決してスムーズなものではありませんでした。 開始からわずか9日目。ロシアを走行中、彼は激しい落車に見舞われます。肘を骨折し、歯を数本折るという大怪我。普通のサイクリストなら、ここでリタイアを選択してもおかしくありません。

しかし、彼はそのまま走り続けました。 「怪我よりも、止まって記録が途切れることの方が怖かった」 その執念が、彼を再びサドルへと向かわせたのです。

また、広大なロシアの吹き荒れる横風、モンゴルの未舗装路、アメリカ大陸を襲う熱波。自然の脅威は容赦なく彼の体力を削り取りました。それでも彼はペダルを回し続けました。それはもはや、冒険というよりは「自分という人間がどこまで壊れずにいられるか」を試す実験のようでもありました。


パリ、エトワール凱旋門。その先に見えた景色

2017年9月18日。出発地点と同じフランス・パリ。 凱旋門の前に姿を現したマークは、出発時よりもひと回りもふた回りも細くなり、その顔には壮絶な旅を物語る深いシワが刻まれていました。

しかし、彼がゴールラインを越えた瞬間、世界中の人々が熱狂しました。 「78日14時間40分」。 それまでのギネス記録を44日間も短縮するという、圧倒的な新記録。人類が自転車で、80日以内に地球を一周できることを証明した瞬間でした。

ゴール後、彼はこう語っています。 「これは私の勝利ではない。物理の限界に挑み続けたチームの勝利であり、人間にはまだ可能性があることを示すための挑戦だった」


私たちが彼から学べること

私たちはマークのように、1日400km走る必要はありません。でも、彼の生き方から学べることはたくさんあります。

それは、**「大きな目標を、小さなルーティンに分解する」**ことの大切さです。 「地球一周29,000km」という果てしない目標も、彼にとっては「今日240マイル走る」というタスクの積み重ねでしかありませんでした。

何か大きなことに挑戦して、その遠さに足がすくみそうになった時。 マーク・ボーモントが極寒のロシアで、折れた歯を食いしばりながらペダルを回していた姿を思い出してみてください。

「あと1km、あと1回転だけ。」 その積み重ねの先にしか、世界一の景色は待っていないのです。


終わりに:あなたにとっての「世界一周」は?

マークの挑戦は、移動手段としての自転車の可能性を、極限まで広げてくれました。 もちろん、旅の形は人それぞれです。ゆっくりと現地の空気を吸い、人々と語らう世界一周も素晴らしい。

でも、もしあなたが「自分の限界を知りたい」と思っているなら、自転車ほど正直な相棒はいません。漕いだ分だけ進み、休んだ分だけ止まる。

さあ、皆さんもまずは近所の丘を越えることから始めてみませんか? その道の先は、いつか地球の裏側まで繋がっているかもしれません。

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