宮島の知られざる戦い｛厳島合戦｝を知っていますか？

合戦に至るまでの背景

当時の中国地方では、大内氏が強大な勢力を誇っていましたが、重臣の陶晴賢が主君の大内義隆を討ち、実権を掌握しました。しかし、陶氏の支配は不安定で、各地で反乱が勃発していました。その中で、安芸の国人領主であった毛利元就は、当初は大内氏に従っていましたが、陶氏の台頭後も独立を保ち、情勢を静観していました。

元就は、陶氏の勢力拡大を警戒し、最終的には陶氏との対決を決意します。しかし、兵力で大きく劣る毛利氏は、正面からの戦いでは勝ち目が薄いため、奇策を用いることを考えました。それが、厳島への誘い込み作戦です。

合戦の流れ

厳島への誘い込み: 元就は、厳島に城（宮尾城）を築き、陶軍を誘い込みます。これは、敵を孤立した場所に誘い込み、補給路を断つ狙いがありました。

情報操作: 元就は、陶軍に偽の情報を流し、油断させます。

奇襲: 1555年10月1日未明、暴風雨の中、毛利軍は包ヶ浦（つつみがうら）から厳島に上陸し、博打尾根（ばくちおね）を越えて陶軍の本陣を急襲します。この奇襲は、陶軍の予想を大きく裏切り、大混乱を引き起こしました。

陶晴賢の最期: 奇襲を受けた陶軍は総崩れとなり、陶晴賢自身も大江浦（おおえのうら）まで逃れますが、最後は自害しました。

合戦の重要なポイント

• 兵力差: 陶軍は約2万の大軍であったのに対し、毛利軍は約4千と、兵力差は圧倒的でした。この状況下で毛利氏が勝利したのは、元就の卓越した戦略と、天候を利用した奇襲が大きく影響しています。
• 奇襲の効果: 暴風雨の中の奇襲は、陶軍の警戒を大きくそぎ、混乱を招きました。また、厳島という地形も、奇襲を成功させる要因の一つとなりました。
• 情報戦: 元就は、事前に陶軍の情報を収集し、的確な作戦を立てていました。情報戦においても、元就は優位に立っていたと言えます。

合戦の影響

厳島合戦は、毛利氏の中国地方における覇権を確立する決定的な契機となりました。この勝利によって、毛利氏は中国地方の有力大名としての地位を確立し、後の戦国時代の動乱を生き抜く基盤を築きました。また、奇襲による大逆転劇として、後世に語り継がれることとなり、多くの逸話や伝説を生み出しました。

まとめ

古くから島全体が神として信仰されてきた神聖な場所です。特に有名なのは、海の中に立つ朱色の大鳥居で、これは厳島神社の象徴となっています。しかし、その裏では中国地方を巡り戦国の歴史で重要な戦いが起こったことは知られていません。また、村上水軍といった水軍が活躍したことで水軍も重要視されるようになりました。戦い裏にどのような思惑・策略があったかなどを踏まえて宮島観光をされてはいかがでしょうか？