心停止と心静止の違いとは?現役医療ライターがわかりやすく解説

コラム

漢字が似ているので混乱しやすいですが、医療現場における「心停止」「心静止」は、「全体を指す言葉」「その中の特定の状態」という関係にあります。

一言でいうと、心停止という大きなカテゴリーの中に、心静止が含まれているイメージです。


1. 心停止 (Cardiac Arrest)

心臓がポンプとしての機能を失い、全身に血液を送れなくなった状態の総称です。心臓が完全に止まっているとは限らず、「ブルブル震えているだけで役に立っていない」状態も含まれます。

心停止には、主に以下の4つの波形(状態)があります。

  • 心室細動 (VF): 心臓が細かく震えている状態。
  • 無脈性心室頻拍 (VT): 心拍が速すぎて空回りしている状態。
  • 無脈性電気活動 (PEA): 電気信号はあるが、筋肉が動いていない状態。
  • 心静止 (Asystole): 電気信号も動きもまったくない状態。

2. 心静止 (Asystole)

心停止の種類のひとつで、心臓の電気的な活動が完全に消失した状態です。

  • 見た目: ドラマなどで見る心電図のモニターが「ピー」と一本の横線(フラットライン)になっている状態です。
  • 状態: 心臓の筋肉を動かすための「命令(電気)」すら出ていない、最も深刻な状況です。

比較まとめ

項目心停止 (しんていし)心静止 (しんせいし)
定義心臓のポンプ機能が止まった総称電気活動が消失し、平坦になった特定の波形
心電図震えていたり、横線だったり様々完全に横一本の線
AEDの適応必要(有効)な場合が多いAEDの対象外(電気ショックは無効)

※補足:AEDについて

実は、AEDは「心臓が完全に止まっている(心静止)」ときには電気ショックを流しません。AEDは「バラバラに震えている電気信号(心室細動など)」を一度リセットするための道具だからです。心静止の場合は、胸骨圧迫(心臓マッサージ)と薬物治

コメント

タイトルとURLをコピーしました