素数は無限に存在します。

この事実は、古代ギリシャの数学者ユークリッドによって紀元前300年頃に証明されました。彼の証明は非常にエレガントで有名です。

ユークリッドによる証明の概略:
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有限個の素数が存在すると仮定します。それらを とします。
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これらの有限個の素数をすべて掛け合わせた数に1を加えた新しい数 を考えます。
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この数 は、素数であるか、合成数であるかのいずれかです。
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もし が素数であれば、最初の仮定(有限個の素数しか存在しない)に矛盾します。なぜなら、 はリストアップされたどの素数とも異なる新しい素数だからです。
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もし が合成数であれば、 は少なくとも一つの素数で割り切れるはずです。しかし、 を最初のリストにあるどの素数 で割っても、必ず1余ります。 したがって、 は最初のリストにあるどの素数でも割り切れません。これは、 を割り切る素数が、最初のリストには含まれていない新しい素数であることを意味し、最初の仮定に矛盾します。
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いずれの場合も矛盾が生じるため、最初の仮定「有限個の素数が存在する」は誤りであると結論付けられます。
したがって、素数は無限に存在します。
この証明は、数学の美しさと論理的な厳密さを示す好例としてよく挙げられます。


