これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。
心房中隔欠損症(ASD:Atrial Septal Defect)は、心臓の左右を隔てる壁(心房中隔)に穴が開いている先天的な心疾患です。
初めて診断を受けたり、ご家族に心疾患の方がいらっしゃったりすると不安を感じることもあるかと思いますが、現在は診断技術や治療法が非常に進歩している分野でもあります。分かりやすくポイントを絞って解説しますね。
1. 心房中隔欠損症とは?
心臓には右心房と左心房という部屋がありますが、本来閉じているはずのこの2つの部屋の間の壁に、生まれつき穴が開いている状態を指します。
- 血液の流れの変化: 本来は左心房から全身へ送られるべき「酸素を多く含んだ血液」の一部が、穴を通じて右心房へと逆流してしまいます。
- 心臓と肺への負担: 右心房に戻った血液は再び肺へと送られるため、右側の心臓や肺に通常よりも多くの血液が流れ込み、負担がかかるようになります。
2. 主な症状
子供の頃は自覚症状がほとんどないケースが多く、学校の健康診断や他の病気での診察時に「心雑音」をきっかけに見つかることが一般的です。
- 乳幼児~学童期: 無症状なことが多いですが、風邪を引きやすかったり、疲れやすかったりすることがあります。
- 成人以降: 30代以降になると、動悸、息切れ、疲れやすさなどの症状が出やすくなります。放置すると、不整脈や肺高血圧症などの合併症を引き起こすリスクがあります。
3. 診断と検査
主に以下の検査を組み合わせて診断します。
| 検査方法 | 役割 |
|---|---|
| 心エコー検査 | 超音波で穴の大きさや位置、血液の流れを直接確認します。(最も一般的です) |
| 心電図・胸部X線 | 心臓の肥大や負荷の状態を確認します。 |
| 心臓カテーテル検査 | より詳細な圧力や血液量を測定するために、専門的な施設で行われます。 |
4. 治療のタイミングと方法
穴が非常に小さい場合は、成長とともに自然に塞がることもあります。しかし、血液の逆流量が多い場合は治療が検討されます。
- カテーテル治療 足の付け根の血管から管(カテーテル)を通し、傘のような形の閉鎖デバイスを穴に留置して塞ぐ方法です。胸を切る必要がなく、入院期間も数日と短いのが特徴です。
- 外科的手術(開胸手術) 穴が非常に大きい場合や、カテーテルでの治療が難しい位置に穴がある場合に選択されます。直接縫い合わせたり、パッチを当てて塞いだりします。
[!NOTE] 治療の有無やタイミングは、穴の大きさだけでなく、心臓や肺にかかっている「負荷の程度」によって医師が総合的に判断します。


